男二人が同じ女に恋をするお話
端的に言えば面白くない。あまりにも散漫としていて、そこに物語は見出せず映像の羅列にしかなっていなかったような印象を受けた。映画の合間合間に映像が静止して音楽だけが流れる時間が存在し、そこで登場人物の感情が表されていると思うのだが、その「静止した時間」が何を意図しているのか読み取れない。単独しているシークエンスが連なってできたような映画という感じがして、面白くはなかった。
が、映像の美しさだけは良かった。冒頭のフットボールの試合が始まる前の静止した時間から動に変わる瞬間を映画の導入にすることでこの「静→動」の演出が多用されることがわかるし、そこから後の観客席を映したカットも良い。映画のサムネイルにもなっている、プールに浮かんだボートの中で行われる三つ巴のキスの映し方も良いし、映像はなかなか良かった。けど映像が良いせいでなおさらシークエンス毎の繋がりの薄さが強調されているような……
この映画ってミゲル・ゴメス監督の処女作短編だったのか、と見終わってから気づいて驚いた。この監督の作品はまだ見れていないけどたまに名前は聞く監督だから、今度見られる範囲で見てみようかなと…映像は良かったので…
