女性に変貌したエイリアンが次々に男性を誘惑して捕食するお話
ヘンテコすぎて大爆笑した。普通のスリラー映画かと思いきや、普通のスリラー映画に陥ることを徹底的に拒否したような物語と画面の絵面に目を見張る。
真っ暗闇の空間の中、誘惑するように女性が服を一つずつ脱いでいき、男性は女性を求めるように自身も服を脱いで女性の身体を追いかける。追いかける内に自分の身体が沼に引き摺り込まれていき、真っ暗闇の空間には女性と彼が脱いだ服だけが残される...
彼女がそれをする目的も何も明かされることなく、ただ淡々と「捕食」の一連の流れが提示され続けるのがシュール。バンに乗った女性が男性に声をかけて誘惑する場面のカメラワークから感じられるドキュメンタリーのような現実感が、捕食の場面に移り変わると突然非現実的な映像に切り替わる対比も良い。
結局何も説明されることがないまま、余白だけ残して終わる清々しさも良い。「地球外生命体が人間を捕食する」だけの説明では収まりきらない余白を感じるものの、「地球外生命体が人間を捕食する」としか説明できない歯痒さ。
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