ありんこ

The Lady in Red Kills Seven Times(英題)のありんこのレビュー・感想・評価

5.0
アイコンにしたくらいお気に入りのジャッロ。ブルーノ・ニコライの印象的なスコア、赤いマントの殺人鬼、しっかり練られた話……とよく出来てるのに日本版DVD無いのが不思議。YouTubeで見たのでイタリア語での視聴。なので以下ストーリーは正確ではないかも。

ドイツの古城で祖父と暮らすキティと妹エブリン。エブリンはキティが大事にしている人形をズタズタにし、二人はケンカに。車椅子の祖父があわてて仲裁し、壁にかかっている絵の話をする。
仲の悪かった姉妹<赤の女王>と<黒の女王>。ある晩、就寝中に黒の女王にナイフで7回刺され絶命した赤の女王。墓場からよみがえると、6人を殺害。最後に黒の女王を殺したという(子どもにする話としてはどうなのか)。
大人になったキティはファッションカメラマンとして活躍していた。そこへ届いた祖父の訃報。ずっと祖父の世話をしていた姉フランチェスカに呼ばれ、古城へ戻るキティ。祖父は、死ぬ前に赤いマント姿の女が笑って立ち去るのを見たらしい。それを聞いたキティに恐ろしい記憶がよみがえる。実は数年前、庭で掴み合いのケンカをしていて、誤ってエブリンを殺してしまったのだ。
祖父の死をかわきりに、キティの周辺人物が次々と殺されていく。キティはエブリンがよみがえり、自分に復讐にきたと恐れ、悪夢を見るように。赤いマントの殺人鬼が長い廊下を延々と駆けてくる。ここ、印象に残る名場面だと思う。
キティは意を決して古城の地下室に隠したエブリンの遺体を確認に行くと、赤いマントの殺人鬼が倒れこんでくる。背中には短剣が突き刺さっていた。殺人鬼の仮面を剥ぎ取ってみると、その下に現れた顔は……

短剣で刺すだけなので殺害方法は地味だけど、絵の話と同じく、6人殺され、最後に主人公が狙われるのが様式美(?)ではある。真犯人は意外というより、関係者の中で考えるとわりとすぐ導きだせる(と思う)。ただエブリンのことは意外だった。ラスト、地下室に水が放出されたり、わりとスペクタクル感もあって大満足。
『La notte che Evelyn usci dalla tomba』の監督の2作目だそう。主役のバーバラ・ブーシェは『タランチュラ』で妖艶なヌードを披露してた女優さん。
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