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朝が来るのnoboruのネタバレレビュー・内容・結末

朝が来る(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

だらだらと雑感を書き並べます、しかも意図的にとっ散らかせてますので読みにくいです、すいません。


まず感じたのが全出演者の演技が押し並べて高いレベルであったことに大げさじゃなく衝撃を受けました。実力派俳優と認識されてる方達はもちろん、それ以外でも、特に浅田美代子さんは「さんまのSUPERからくりTV」でのイメージがほぼ全てだったのでこんなに良い役者だったのかと認識を新たにしました。


他にもベビーバトンでひかりと暮らしていた妊婦達の(ここで使われている施設の方がホームビデオで撮影してる(とされる)シーンでの)自然と流れ出てくる涙や表情を見てると、まるで「自分もその時その場にいた記憶」として脳が認識しているかのような錯覚を覚えた気がした

あと母親がひかりを張るシーン、ビンタ強すぎて思わず声が出そうになった

さらには新聞屋のおじさん。まるでその人の人生が見えてくるかのような見事な演技に引き込まれた。ただ途中から東京03の飯塚さんに見えてきて(ちょうどTBSドラマ『この恋あたためますか』に出演中で役も主人公の女性を優しく見守るコンビニオーナー?役なので立ち位置も似ていて)「さすが悟志、いい演技しやがるなぁ」と思っていたのは内緒です


これらは全て河瀬組だからこそ引き出せたものなのだろう、きっと

これまでなんとなく河瀬直美監督の作品って食指が動かずスルーしてたんだけど、今回は永作博美さんと井浦新さんという大好きな俳優さんが出るから。という単純な理由で見に行ったのだけれども
とても良かった。

今回1番の収穫は河瀬作品をちゃんと劇場で見たということだったかもしれない



原作未読で事前情報はポスタービジュアルと予告編のみだったので、てっきり里親夫婦メインの話しかと思ってたが予想に反して産みの親であるひかりのパートが長くてビックリしたけどこれも練られた構成と相まって「あなたは誰ですか。」という気持ちを持ったままでひかりへの想いがガンガンに高まった状態で明かされる正体に、いち観客としてはいくつもの感情が複雑に同居したものが自分からこぼれ出てきて、よりこの作品が大好きになった


そして永作博美さん。あぁ今回は里親なんだね。なら警察に追われることはなくてほんと良かった。盗んだ赤ん坊じゃないんだね。と『八日目の蝉』を引きずりながら観賞してたら、ふっと「その子まだ、ご飯たべてないんです。よろしくおねがいします」のあの名シーンが頭の中で再生されて泣きそうになった


そしてこの映画、永作博美アイドル映画として見ても文句なしの1本でした


素直に見て良かった。大切な作品がまた1本増えるという幸せを与えてもらった
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