theocats

朝が来るのtheocatsのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
2.5
パッケージのこまい文字が見えなかったので事前情報は河瀬監督のミステリー映画ということのみ。
あまり好きな監督ではないけど名作ということもありうるからね・・

で、見始めたらタワマンに住む児童を持つ家族同士の、幼稚園における児童同士のアクシデントを端緒とする「タワマンヒエラルキー陰湿物語」なんだろうと思っていたら、養子問題、さらにはその生みの親、ひいてはその親らしき「素性の分からない」女の登場と、何だかテーマが何なのか次第に分からなくなっていく・・・・

とはいっても、さすがに最後には全て明確になるんだけどね。

しかし、ミステリーというにはお粗末だし、大きな瑕疵点として「一度会っているはずなのに、年数がたちいくら容姿が変わっているとはいえ、夫婦そろって本人と見極めることができなかったのはどう考えても不自然」ということ。

それと気になったのがネガ情緒過剰で、余りにも引き伸ばし過ぎ。
あざとい演出とまで言わないが、河瀬監督の感情的思い入れが強すぎて、見ている側がどんどん引き、冷めていくパターンのように感じられた。

なんて冷めた感想にはなってしまったが、女性や、似たような境遇にある夫婦などにはストレートに突き刺さる内容なのだろうなとも思う。

情緒過剰の引き延ばし過ぎという点は邦画的かもしれないが、これがフランスやアメリカ映画ならパッパッと済んだんじゃないかな、なんて思ったりもした。
theocats

theocats