福本伸行自らが脚本に関わった藤原竜也のカイジシリーズ最終作。
前2作も見てるので、ある程度酷いことは予想してたけど、遙かに下回った。
子供騙し映画出てしまいました。
大人は見れたものではありません。
そもそもを言うけど、権力に立ち向かう映画であるこの映画自体が権力により行使された作品という矛盾が一番ヤバイ。「カイジシリーズなんで、金儲け出来るでしょう」という魂胆が見え見え。本気で作ってこんな出来になるわけがない。文化を腐らせている。
主人公カイジの今作におけるスタンスが緊張感のない要因の一つでしょう。自らの窮地ではほぼないですから。誰かを助けるために行うヒロイックな行動。なおかつ、頭が最初からキレキレ過ぎて、クズではなく万能キャラになっている。これではカイジの勝利にカタルシスが生まれない。
あと演技の方向性がバラバラ、あからさまに下手な役者までいる。役者に任せっきりで演出が仕事をしてないんでしょうか。ガッチリ演技する人も居れば、アドリブっぽいナチュラルな演技する人もいるし、見ていて気持ち悪い。
エキストラの演技も、未だに昔のステレオタイプな群衆表現。あんな感情の揺れ動きは人間ではない。
今回はゲームもダメでしたね。福士蒼汰とのゲームに関してはカイジっぽいなという感じはありましたが、VS吉田鋼太郎のゲームの緊張感のなさはあまりにも退屈。どうやってそれをクリアしたのかっていう、こちらを唸らせるロジックが知りたいのに、「実は裏で手を回してました」の連続で面白く感じられるわけがない。
「これは伏線です」みたいに違和感のあるシーンが浮き上がりすぎているのもやばい。伏線はさりげなく入れてくれ。
もうこのレベルの映画は無くなったと思ってたのに、2020年代にも現れた事に絶望しましたが、
流石に他の観客も気付いているのか、そこそこしか入ってなくて一安心でした。
2020年 劇場5本目
