ほっぴー

カセットテープ・ダイアリーズのほっぴーのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

思春期に聴いて好きになった音楽って一生忘れないと思う。
初めて聴いた時の衝撃と、歌詞を深読みして自分に重ね合わせるあの感じは、なんだかとても懐かしくなった。

あんなにも父親に抑圧されて育ったのに一切ひねくれずに、真っ直ぐに成長しているジャベドに涙...
とくに、母親がお金のために売ったブレスレットを、自分のブルースグッズを売ってまた買ってあげる場面は涙涙...
オタクにとってグッズを売ることは身を削るも同然。どんだけいい子なの...

現状に不満があるけれど、何かできる力はなく、それに従うしかない。
と思っていたら、ジャベドは自分が得意な文章を書くということでこの鬱屈とした気持ちを打破しようとする。
何か変えられないかと奔走するジャベドが眩しい

ただ、ジャベドはパキスタン人というだけで差別されてしまう人種差別の問題も抱えていて。
自分ではどうしようも出来ないことだから、あまりにも辛すぎる。
父親があんなに厳しいのも、自分が移民としてイギリスに来て誰よりもひどい目に遭ってきたからじゃないかと。
それにしてもなんだけど。。
最後、父親と分かり合える場面は、そうなると分かっていてもそんな2人を思って泣いてしまった。

単なる青春映画では終わらず、80年代イギリスの社会問題も描写されていて勉強になったし、
この映画を実際にパキスタンの方が観たらどう感じるのか知りたいとも思った。

ジャベドの友達役の俳優がTOKIOの長瀬に見えて仕方なかった。
ほっぴー

ほっぴー