何かが起きると、誰かのせいにして責任を押し付けて一件落着とする社会。私自身もその一員であることを意識すべきだと痛感させられる作品でした。今では考えられませんが、当時は職場で使うパソコンも私物だったりすることが結構な割合であったこともあり、私物のパソコンに対してもファイル共用ソフトはインストールしないよう通達があったものです。winnyがものすごく普及していたことに目を付けられてウイルスが大量に作られて、パソコンの中味が外に流出する事件が後を絶たない時代でした。
ナイフで人を殺した場合に、そのナイフを作った人が罰を受けないのは当たり前のこと。本事件もつまりはそれだけのこと。今なら常識的なその理屈が当時のアナログな社会意識の下では通用しなかったのです。それが通用するのは更に10年以上の月日が必要だった訳で、日本がIT社会で世界から遅れをとっている原因の一端がこういうところにもあったのだなと考えさせられました。