さわら

性の劇薬のさわらのレビュー・感想・評価

性の劇薬(2020年製作の映画)
4.5
先日観た「汗ばむ美乳妻〜」のいいのは、抑圧されていた側の人間がセックスで解放されるところだ。そして騎乗位をし、真に精神的な自立を果たす。どの城定映画にも通底してるようで、そして初のBLものでも変わらなかった。不安で生きにくい世の中を少しでも生きやすく。普遍的な愛の傑作。

ただの下品だけじゃないん。連綿とする“水”のイメージ。身体を這うローション、こぼれる酒、勢いある吐瀉物・精液、口元からこぼれる水、そして海。いつも城定映画では液体をもしっかり、それでいて極めて大切な助演を果たしている。

基本、受け手である渡邊将さんを女性っぽく艶やかに撮るのがすごいなと思う。強烈な“性”と“生”を植え付け(植え付けられ)、それが見事に羽化し羽ばたいていく様はめちゃくちゃ感動的で、前半部のいろんな責め具のインパクトすら超えていく。