【日常ゴッコって楽しいか?】
アマプラ見放題にて。初ギョープラ。本作から始めるのが適切だったかは知らねども…これは狙いはわかるし愉しい時間もあったが、半分くらい退屈だった。
舞台となる、パリ郊外のこのレジャー・アイランドは、自然に満ち、程々にゆるい施設で、興味深い場所ではあった。
体裁としては、来場者と運営側のレリゴーを追ったドキュメンタリー。
いわゆるインタビュー仕立てのところは、まだ安心できる。
全体的な実態は、余所余所しいと感じた。来場者に撮影の承認をもらい、本人のやりたい通り動いてもらうが、結局は演技だ。
子供等がカメラなど気にせず、水に飛び込み燥いでいる間はいいのだが、大人が出てくると…無意識にかもだが…余所余所しさが画面に漂い始める。
本作、映画としての明確なゴールはないものね。普段通り動けと言われても、撮られる側は戸惑ったんじゃないだろうか?
撮られるって時点で、普段と違うからね。
映画とは覗き見であることが、改めて意識される。
で、覗き見されることを知って演じられる日常風景は、余所行きの見栄えとなるからやはり、退屈なのだと思った。
ギニアやアフガンから、死を免れ移民してきた人の談話などはお国柄だな…と興味深く、痛い。が、なぜ終盤になって連打するのか?社会派として底上げしたいのかな…と作為を感じてしまう。
本作は時間が倍になっても、半分になっても変わらない気がした。それなら私は、後者の方がいい。
改めて実感したのは、この映画を見るより、毎日の現実を積み重ねる方が人生ずっと楽しい…ということ。
このレジャー・アイランドに行くより貴重な体験が、毎日、得られるからね。
ただ、作り手が美しいと感じて撮られた映像は、やはり美しいと感じられ、現場に行かずともそう感じられることはよかった。
<2025.4.10記>