垂直落下式サミング

新解釈・三國志の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

新解釈・三國志(2020年製作の映画)
2.2
「三国志」という戦記ものの代表格みたいなシチュエーションが足を引っ張っている。それぞれのエピソードを10分程度の短編に切り分けて、もう少し短くスピーディにみせてくれたら印象も変わっただろうに。
「新解釈」の部分についても中途半端。みんなが知ってる三国志の有名なエピソードは、実はこんなマヌケだったかもよってみせるのは、ベタながら面白そうな発想なんだけど、色々と追い付いていない。
コメディ馴れしてない役者さんはちょっと照れながら演技してるのがわかっちゃうし、あえて安っぽくみせているであろうアクションシーンなどは、ただ普通に低クオリティっていうつまらなさ。大泉洋&ムロツヨシの流石のおもしろオジサンズによる掛け合いのあとは、どんどんネタ切れしてくる。
『裸の銃を持つ男』や『オースティン・パワーズ』みたいな、大まかな設定だけ守ったスケッチコメディーに徹していれば、もう少し楽できたんじゃなかろうか?
無理にストーリーに関連性を持たせようとするから、間延びしたギャグや、みたくもない内輪ノリの比率が多くなって、全体的に満足度の低い作品に仕上がっているのだと思う。
ナレーションや人物の心の声どころか、画面のなかに描かれていることまで、ぜんぶを口に出してしゃべるテレビっぽいセリフ回しは相変わらず。こちらは大して興味もわかないことを、うるさいくらいに説明して解説してゴリ押してくるのは、ここまでくると作家性だろう。