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さすらいのleylaのレビュー・感想・評価

さすらい(1975年製作の映画)
4.1
20代頭に観てヴェンダースに苦手意識を持ってしまった作品。当時は退屈なオシャレムービーという感想だった。

時を経て観ると、しみじみとしてていいなぁと思える。静かだし、長いし、映像が気持ち良すぎて時々寝落ちしたけど。笑

男2人が何気なく出会って何気なく別れる、
これぞTheロードムービー。

いくつかのエピソードを挟みながら旅が続きます。

風景を先に決めて撮影に入り、即興で台詞を考える手法で撮ったそう。
風景を観る作品でもあります。

やっぱりロビー・ミューラーによる映像と、劇伴のセンスが光ってる。鼻歌までいいんです。これぞヴェンダースって雰囲気がムンムン。

砂煙をあげて猛スピードで海にダイブする車。
車窓に映り込む木々。
車についてるミシュランのライト。
だだっ広い田舎の風景。
シルエットで子供たちを笑わせるシーン。
風をきるサイドカー。
リスペクトするニコラス・レイの写真。
映写機の終焉を感じさせる哀愁。
看板のライトで“WW END”の小粋な演出。

ことに夜のシーンが好きでした。月明かりで見せる輪郭が美しい。

「変化をやめたら進化することはできない」
「変化は必要だよ また会おう」

列車と大型ワゴンが並走し、クロスし、離れていく。カッコいい別れの描写。

二人はこの旅で少しだけ変わった。
何もないようで何かがある、ロードムービーの良さが詰まってました。

原題『時の流れのままに』
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