さすらいの作品情報・感想・評価

「さすらい」に投稿された感想・評価

マイク

マイクの感想・評価

4.0
人生で一番好きな映画。
生涯モラトリアムな私のような人種にとっては、この作品程作中の時間に没入できる作品は無い。
黒沢清(違うかもしれない)あたりが言っていた、時間を編集する以上全ての映画はホラーだという感覚をある意味で味わえる。
永遠に続いて欲しいような退屈。
Fal2018

Fal2018の感想・評価

5.0
いい映画でした。

いままで観たヴェンダース作品の中でも一番か二番くらいによかった。

ミニマルな動きと言葉で必要なことをしっかり伝えてくれる。

個人的に気に入ったのは移動中のトラックを前方から撮るショット。
画面の八~九割をトラックが占領していてほとんど動きが無いのですが、
画面の隅っこにちらっと映る景色とフロントガラスに映り込む雲の動きで
トラックが走っていることがしっかり伝わるという……

あと踏切を列車が通過していって、その前にトラックが停車しているあの
ショットも、あれだけで話の展開がしっかり伝わってすごい。

という感じで、好きだったところを挙げていくとキリないです。
ただし尺が長いので、時間と心に余裕がないと100%は楽しめないかも。
okapy

okapyの感想・評価

5.0
ロードムービーの真髄。言葉じゃ言い表せれないくらい最高。これに勝る映画には出会えない気がする。
otom

otomの感想・評価

5.0
何度観ても素晴らしいとしか言えん(脱糞シーンも含む)。長尺の末の最後の交差の秀逸さ。映写をやってた身としてはバイブルみたいな一本。もちろん傑作。
変化は必然だよ。

久しぶりに自分好みのロードムービーを観た。モノクロで3時間ほどあると今でも少し抵抗をもってしまい最後まで集中して観続けられるのかどうかなど心配していたが、そんな心配は無用であった。冒頭から引き込まれてしまった。
まず地方の映画館を巡回して映写機を修理する孤独なキャラクターというのが映画好きを興奮させますよね(笑)別に〝映画〟そのものとの関わり自体は多くないのですがアスペクト比やら映写室の裏側やら『ベン・ハー』やら…ちょっとした部分でニヤついてしまう。そんな彼と共に移動していくのが妻と別れたばかりで常に誰かが居ないと何も出来ない訳あり男。対照的な2人がお互いに無いものを見つけ次第に変化していくというストーリー。まあロードムービーにありがちな設定なのだが、自由度が違う。それは彼らのキャラクター像もそうなのだが何よりモノクロを超えた風景の美しさ。あまりにも自由であり、それはロードムービーの本来のあり方を示している。どうやら本作の脚本や台詞は11週間の撮影で移動しながら完成させていったそうだ。その自由さが、この作品の良さを最大限に発揮させている。
そして何より最後まで飽きなかった大きな要因として挙げられるのは音楽である。これが移動する風景と2人の自由さが合わさり最高の名シーンを作り出している。まさに奇跡のワンシーン。

ロードムービーは移動しながら新しい場所で発見をし、吸収して変化・成長していくというのが定番であるが、本作は完全に原点回帰からの変化を求めるロードムービー。時計の針は進んでいるのに過去に答えを置いてけぼりにした2人の物語だからこそ、最後の「変化は必然だよ。」という言葉の深さを味わう事になる。ラストの映画館のシーンでもそう。

「ずっと見ているからな。」
「やっと調子出てきたか。」

うん、泣いた。
たしかに長くは感じたが素晴らしい映画に出会えたことに感謝。
正志

正志の感想・評価

3.7
カウリスマキと比べてしまうと、どうも…………
(私側の)時期が悪かったという説もある
taka181

taka181の感想・評価

3.8
奇妙な友情。ノッキンオンヘブンズドアは、これに影響受けたのではないかと。カラッとしてて心地良いです。
トラックの中で暮らし、地方の映画館を巡回している孤独な映写技師と、妻と別れたばかりのイタリア帰りの訳あり男が出会い、奇妙な友情を育みまた別れるまでを描いたロードムービー。かなり写実的。ちょっとイラつきながらも、互いの急所をわかっているが故に決して突かない、男同士のセンシティブな距離感がよく出ている。モノクロの世界の中のフィルム缶や映写機が「変化は必然だよ」というメッセージとオーバーラップする。
2018.2.4 DVD(字幕)
これぞ欧州のロードムービー。多くを語らず余白を持たせることで生まれるゆるりとした世界に心を委ねる心地よさ。生まれ変わったら根無し草のように旅をし続ける時期が何年かあってもいい、そんなふうに思う。

当然のことながら同じロードムービーでも、舞台が欧州とアメリカとで全く質感が違う。
アメリカのそれは視界を遮るものが何もない。開放的すぎて空虚さや絶望感みたいなものさえ感じてしまう。それが魅力。
一方ドイツの田舎道をひたすら車で移動する本作は、線路があり電車が通り時には街が現れ人々の生活がある。作品に湿度がある。

言葉や説明は少なくとも美しい画がたくさんあってそれだけで胸を打たれる。例えば川に架かる橋で遊ぶ子供たち。例えば鬱蒼と繁る暗い森で光る金髪。

全編に流れる監督の映画愛が心に響く。深い余韻が残る傑作。

ロードムービー第3作
苔

苔の感想・評価

5.0
この空気にいつまでも酔いしれていたい、そう思えてくるほど心地のいいロードムービーでした。
また、主演二人の演技が自然体で、観ているこちらも共に旅をしているような錯覚に陥ったり。

また、本作は映画についての物語でもあります。
映写機やフィルムを運搬するブルーノ、地方の映画館主のおじいさん。映画業界の話は興味深いものがありますし、ラストの映画館を閉じることになったという映画館主の話も考えさせられます。
制作当時、ドイツの映画館をとりまく厳しい状況を浮き彫りにしたものでもありますが、ドイツのみならず現在の映画の在り方そのものを問われているような気がして…

最近、自分のふるさと唯一の映画館が潰れてしまったこともあり、いろんなことを想起させられた一本でした。
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