さすらいの作品情報・感想・評価

「さすらい」に投稿された感想・評価

nknskoki

nknskokiの感想・評価

4.4
映画技師と偶然出会った男が一緒に大型ワゴンで小さい街の映画館を転々と旅するロードムービー

この映画もどこのビデオ屋さん(だから言い方)にもなくてClipしたまま諦めかけてたやつ

住み方には定住と移住の2種類あって
この中にはまさか移住生活してる人はいないと思うけど
定住してると毎日目が覚めても同じ風景なのだが、移住者は毎日目覚めた景色が違う
ご存知松尾芭蕉は「月日は百代の過客にして、日々旅にして旅を住処とす」と詠んだけど
モンゴルの遊牧民族は移動式のパオに住むし、そう考えるとこの映画の二人は大型ワゴンに乗って遊牧するモンゴル民族とさほど変わらない
そういう意味で「さすらい」なのだろう

世界は記号化され人間、建物、地面、植物、空、、、と細かく分節されてしまっているが例えばハエにとってはそんな区切りは存在しない
「あの人間に止まるか」「あそこの道路に止まるか」「あの犬のウンコに止まるか」なんて考えて止まるハエはいない
ハエにとっては人間も建物も地面も植物も空も全て同じ原子で構成された物質でしかない
ハエにとっては世界は分節されておらず全て同じ物質で一連なりなのだ
僕たちが「部分」と認識しているものは実は「全体」であって、それは部分のようで実は全体(の一部)なのである

今僕が立っている地面も世界の「部分」でなく一連なり宇宙「全体」の一部なのである
空を見上げると人間の視界的限界により部分でしか捉えられないが僕が見上げている空もあなたが見上げている空も違うようで実は同じ全体の一部であるのと同様に、僕が今叩いてるパソコンもあなたが立っている床も一連なりの同じ宇宙の物質であり実は繋がっているのである

短い一生なので地球全ての場所をくまなく旅するのは不可能である(増してや宇宙全体なんて到底無理)
でも僕が叩いているパソコンもブラジルの地面も全て繋がっていると考えると今いる瞬間の景色をもっと大切にして生きていけそうな気がする

「僕の過去が僕だ」

「映画は芸術だと父が言ってたわ。だから最近の映画は掛けない。どれも人間の目と頭をだますことしか考えてない」

段差があればそこに物を置いてしまう癖あれ本当に何なんだろうね(出窓は格好の化粧場所になりがち)
何とは言わんが”ナニ”が映りまくりでわろた
ああー終わったやっと終わったーぐらいの気持ちでいたら、後になってジワジワ効いてきている。

人生哲学を語るような説教クサい映画だったら、延々と野グソをぶちかますカットなど必要ないはず。「人は誰でも、一人では生きられないんだ!」とか大それたことを言っているわけではない。ただ「誰かとの出会いが生きる活力を与える、というのはどうやら本当らしい」と思わせてくれる。それだけで、幸せだ。

さすらう男たちが、人生のうちのほんの一瞬を共有したのち、それぞれの進む道へと再び戻っていくーーラストには胸が熱くなった。ジャームッシュ『ダウン・バイ・ロー』の源流を見たような気がした。
KanKawai

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4.5
1975年 ヴィム・ヴェンダース監督作品。大型ワゴン車でドイツ各地の映画館を巡回し映写機の修理をするブルーノ。妻と別れてきた男ローベルトと偶然出会い道中を共にすることになる。ロードムービーとしての楽しみである移り変わる風景と様々なエピソード、時間経過とともに変わる二人の関係性、いくつもの対比が長い時間を忘れさせてくれる傑作。
sonozy

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4.5
1976年ヴィム・ヴェンダース監督作。初期のロードムービー3部作の3作目。

アメリカの写真家ウォーカー・エヴァンスの写真がインスパイア元という事で、『都会のアリス』同様、撮影監督ロビー・ミューラーのモノクロの映像の味わいと音楽がいい!

裸にオーバーオールで、家替わりの大型トラックに乗り、小さな町の映画館を巡回し映写機の調整などをしている、さすらいの映写技師ブルーノ(リュディガー・フォグラー)。
ある日川べりに停車していると、かなりのスピードで飛ばしてきたビートルが川に突っ込むのを目撃。
トランク片手に脱出してきた"カミカゼ・ドライバー"のローベルト(ハンス・ジシュラー)という男をトラックに乗せ、二人のロードムービーが始まる。

ブルーノはこの仕事をひとりで2年やっている。一方ローベルトは小児科医に近いという仕事で最近妻と別れたばかりという。

互いに多くを語らないが、寂れた映画館、子供たち向けの上映会、閉館を決めた映画館、、そして互いの実家に立ち寄るうちに、徐々にそれぞれが抱えている過去や心情が見えてくる。

ブルーノがトラックの中で聴くのはアナログレコードですが、そのプレーヤーが不思議な形。(CDプレーヤー風にスリットからレコードを入れる方式)

11週間をかけ、東ドイツ国境沿いで撮影され、脚本も移動しながら決めていったそう。
約3時間と長いですが、彼らと共に旅している感覚になる、これぞロードムービーという感じです。
uyeda

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3.8
所謂ロードムービーで、俺には少しロードムービー過ぎるなと思ってしまった記憶。ロードムービー好きだが・・・
すごい。素晴らしい。
序盤の川に車が唐突に突っ込んでいくのとか唐突すぎて笑った。この監督好きだな。
なんと176分!個人的にあんまり長さは感じませんでした。
DarcyAnam

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3.6
こんな旅がしてみたい。
あの二人のような友情に憧れる。
お互いの実家を訪れる所がとても良い。
でも少し長かったかな。
Guy

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4.0
ひたすらに心地が良いなぁ。
裸にオーバーオール。手巻きタバコにトレーラー。
モラトリアムな田舎の旅。時々みせる何処か遠くを見つめている表情。2人は何を思うのか。
バイクと並走する3両しかない電車に揺られている人、小さな町に住む人、道ですれ違う人、今まで出会った人、それぞれに想像もつかないような生活や人生があって。
孤独を抱えてたり不安を押し殺してたり。
何も考えられずに生きれたら苦労はしないんだけど。
露骨さは一切無いのに隠しきれない孤独を映すのが抜群に上手い。
ヴェンダースにしろジャームッシュにしろ大好きな作品は決まってロビーミューラーが撮ってる。
リュディガー・フォグラーも凄いなぁ。ヴェンダースとの絶対的な信頼関係がある事は冒頭でわかりますわな。
この作品の美しさは間違いなく本物です。
ハリル

ハリルの感想・評価

4.5
要再見
ゆらゆらと流れる時間
憂鬱の楽園的なバイクを後ろから追うショット
映画館、サングラス、回転、
変化は必然。円環構造。
初ヴェンダース。冒頭の河に突っ込むビートルや脱糞、終始素晴らしいロケーションで最後まで見通せるんだがやっぱり長い気がする。
ストレートに連想したのはジャームッシュの作品群。
主人公二人の過去が好対象になってる辺りが興味深い。
「人生は一度きりだ」という言葉に動かされて一度別れた二人はそれぞれ落ち着く場所を求めるけども、結局また二人になって離れていく。
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