atsushi

さすらいのatsushiのレビュー・感想・評価

さすらい(1975年製作の映画)
3.9
ヴィム・ヴェンダースによる"ロードムービー三部作"の三作目。

"映画"という過去の産物と登場人物たちの過去が呼応する3時間。冒頭のサイレント-トーキー移行期についての会話から、ラスト、映画館の主人との会話は死にゆく"映画"、或いは既に死んでしまった"映画"への言及。同時に登場人物たちの過去巡りは彼ら自身の悲哀を感じさせる。2つの事柄が重なり、ペーソスは作品内に充満する。

2本の列車が線路に沿ってくっ付いたり離れたりするのを見て、"移動"ほど映画に向いているものはないなと感じました。

2024/02/06 1回目
【2024年47本目】
atsushi

atsushi