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糸の13のレビュー・感想・評価

(2020年製作の映画)
4.3
世間に浸りたくて、泣きたい気分だったから糸を観た。

青年期に感じた感情は、一生思い出してしまうし、心苦しくなる瞬間が間接的に増える。
どんな目に遭ったとしても、耐えるしかない、と。今我慢すれば、という感情で、
苦しさをどうにか紛らわせるしかない。
でも、その苦しさの中で感じた人の温かさは何よりも日々の生きる糧になり、
存在していることを肯定してくれる気がする。

運命ってなんだろう。
信じた方が得なのだろうか。
解れては、消え、再び巡りあう。
のだろうか。。わたしにはまだまだ分からない、人と出会う運命、。

漣くんと葵ちゃんのすれ違いがもどかしくて、この世界の運命は、こういうものなのだと、感じた。世間が言う運命とは、重みが違う。。

葵ちゃんは、過去経験から、私が人を守りたいという強い気持ちが芽生えたことが、素敵だと思ったし、守られる側になりたくないのは、弱かった自分を忘れて沈めたかったのかなと感じた。"あの子は強い"は、正にその通りで、自分自身を見つめながら、強く前に進んでいた。

漣くんは、葵ちゃんを守れなかったことから、何をしても、どうにもならないのでは無いか、という感情が底にありながら、何処かに行くことを拒んでいた。だけど、諦めることはなく、世界へ、という気持ちをも少しばかり抱きながら、出来ることをやっていた。

2人の中で、お互いの存在は大きくあり、
あの頃の感情を何よりも大切にしていたからこそ、再び出会うことができたんだなと思った。

人との出会いは、これからも大事にしていきたいし、運命とは何なのか、私もこれから過ごす中で自分なりの運命を見つけていきたい。
抑揚のある人生、楽しいも苦しいも感じているからこそ、人との出会いはとても大切にするべきなんだと、感じた。
"人は、出会うべき時に出会う人に出会う"

おかえりなさい、がこんなにも温かく、心がじんわりとする言葉なんだと、改めて感じた。
もしもしコーナーのお二人、狡い……
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