よふかし

糸のよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ド好みの映画やった😭😭😭
〝人生〟を感じた。良いことも悪いこともたくさんある人生。初恋はたいてい実らない。一番好きな人と結婚するわけじゃない。自分は無力で、ヒーローではない。人生は思い通りにはならないってよく言うけど、登場人物たちを襲う不幸がリアルで辛かった。倒産や地震、病気や裏切り、予想がつかないし防げない。それでも生きていくしかない。
そうして、踏ん張って生きてきた漣と葵が最後でようやく結ばれる。美瑛から函館フェリーに間に合うのとか、ご都合主義と言われればそうだけど、たくさん苦しいことを乗り越えてきた二人が最後に幸せになれる姿を見られて本当に良かった。人生には希望があるって勇気づけられるみたいだった。

「あの人もしかしたらさ、漣より好きだったかもしれない」
香のこの台詞なぜか心に残ってる。香も漣も一番好きな人と結婚できてない。でも別にその選択を後悔してるわけじゃないんだよね。〝それでも良かった、幸せになれる〟って伝わってくるのが好きだった。

「このご飯が一番おいしい。帰ってきたって感じがする。帰る場所なんかなかったはずなのに」
葵のこの言葉泣ける😭
途中で役所に来た時はおばさんに会えなかった。でもこの時には顔を見せることができて、ほっと息をつけた。孤独に思えた幼い自分を支えてくれてた存在に気付けた。そしてそんな存在が今も変わらずここにあったことの安堵と感謝。染み渡る。
食事といえば、シンガポールで友達に裏切られた日の夜にカツ丼を食べたシーンもめちゃくちゃ良かった。カルテットの「泣きながらご飯を食べたことのある人は生きていけます」って言葉を思い出した。

〝逢うべき糸に出逢えることを
 人は仕合わせと呼びます〟
総じて大好きな映画でした。
よふかし

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