だいち

糸のだいちのネタバレレビュー・内容・結末

(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

とりあえずW主演の2人の子役から素晴らしい。カッコいい&可愛い。正直冒頭45分でも1本の映画が作れそう(と思った)。「ベタ」と言われればそうなるかもしれない。しかしここまで、いろいろな舞台で描かれるストーリーであればむしろ素晴らしいベタだった。
2人が「運命の赤い糸」に導かれ、しかし遠ざかり…とてもモヤモヤするが、それでもハッピーエンドへの希望を捨てられずに物語は進む。とりあえず周りのキャストが豪華すぎる。特に最上もがは個人的に一番ビックリした。
いろいろな人と出会い、いろいろな経験を経て、2人にとって「本当に大事なもの」とはなんだったのか。
(※)こここらネタバレです。
小松菜奈が大事なものを取り戻すために決意した帰省のシーン。
心のこもったご飯を食べて、「自分が一番求めているものは何か」を思い出す小松菜奈。その時、そっと後ろから包み込む幼い子供の腕。
ここが、もう、ほんとに、心が震えた。「こう繋がるのか」と。
そして、たくさんの人からの「行け」という言葉に、今まで「どうせ自分は…」と自分を卑下していた菅田将暉がなりふり構わず走っていく。
ここまで書いて思ったが、女の子はキーパーソンだったんだな。2人を紡ぐ。
そして…………。

2人は決して、「特別何かが優れていた」から結ばれた訳ではない。
むしろ小松菜奈の方は、かなりキツい状況もあった。しかしそれでも、2人には、出会った時に「大丈夫?」と「自分よりも相手のことを思う(心配する)」心があった。

人のことを思う余裕なんてないような環境にいたにも関わらず、困っている人に対して手を差し伸べる小松菜奈。
差し伸べられた手に対して、その人のことを思う菅田将暉。
お互いがお互いのことを思うその心。その気持ち、思いが、長き時を超えて最後を迎える。
物語はそれまでを描いているが、自分よりお互いのことを思うことのできる2人なら、その先の未来もきっと明るいものになるだろう。そう思えてしまう。

とても、よい映画でした。
長い期間を経て、映画館で、観れてよかったです。
ありがとう中島みゆきさん。
ありがとうスタッフの皆様。
ありがとうキャストの皆様。
だいち

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