いはん

音楽のいはんのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.9
目を引くキャストも、画力もない(失礼かな)。でも、本当に良いものはそれで埋もれたりしない。少し埃を拭き取り、目を向ければ、全てを引き込んでしまうほどの威力を発揮する。

短いし気分転換に観るか、と修論執筆中映画に憩いを求めた私はこの映画を再生した。いいな、この映画、というのが単純だけど最も直感的な感想。別にケンジたちと私の青春には特に重なるようなポイントもないのに、なぜか昂りを感じた。それは、ケンジらの青春だけにではなく、自分の青春のをも上乗せした何かだった。

私は、古美術も好きでした。
というか、最初の古美術が一番好きだったかも。純粋に自分たちのやりたかったことに向き合う。向き合っても良い時間というのが与えられていたし、責任を伴わない自由を持っていたんだなと。大人になってやりたいことを自由にやることは本当に難しい。それは全部君という人間がどれだけの責任を背負うことが出来るのかにかかっているからね。
いはん

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