Haman

音楽のHamanのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
4.5
無軌道。

音楽に触れたことがある人間、いや映画にしろスポーツにしろ恋愛にしろ、人生で何か琴線に触れる出来事があった時の、なんかすっごーいこと見つけちゃった!!ていうのが素材そのままに提供されていて最高に最高だった。つまりは初期衝動ってやつ。
あっこれけっこう好きかも、けっこう出来るかも、っていう今までに味わってきた自分の中での衝動的な感動を回想しながら、この『音楽』に出会う衝動。

何でも出来るけど、何にも出来ないし、だけども何かやる。学生時代の悶々とした空気感は脳ミソの海馬が爆発するじゃないかってくらいにわかりみがスゴい。
まさかのツインベースにドラムはフロアタムとスネアだけの究極ミニマム3ピースバンド。同じように素人3人でバンドを組んでたことがあるから、クソみたいな演奏技術なんだけど、あれ?なんか今の合わさった音カッコよくなかった?っていう感覚のわかりみもばりスゴい。

実際に自分達でフェスを敢行しての音源、ロトスコープ制作のライブ感。時代に真っ向から逆行する全編手描きの熱気がとにかくヤバいから、狂ってるから、青春してるから、繰り返し何度も観たくなるやつ。

上映終わって物販を見たらパンフレットが単行本くらいの厚さだった瞬間もハッピーに殴り殺されたですよ。
後書きで監督自身がアンチ薄いパンフレット宣言していて、マジこの人、神です。必読です。

オシリペンペンズめっちゃ久々に聞いた。 
Haman

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