DaiOnojima

激動の1750日のDaiOnojimaのレビュー・感想・評価

激動の1750日(1990年製作の映画)
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 アマゾンプライムビデオで鑑賞。初めて見たけど、あまりに酷い映画でびっくり。監督の中島貞夫は出来不出来が激しい人なんでよくあることだけど、これはキャスティング、演出、音楽すべてがダメ。山口組対一和会、いわゆる山一抗争を描いた作品だけど、ちょうどバブル全盛期、トレンディドラマ全盛期の製作で、若者受けを狙ったのか、それまでの東映ヤクザ映画の馴染みの俳優ではなく、トレンディドラマに出てきそうなよわよわなイケメン系役者、それも実年齢よりかなり若い役者ばかりを起用し、どいつもDCブランドをかっこよく着こなして、まったくヤクザには見えない。実在のヤクザの大幹部が、いいとこ町の軟派なチンピラにしか見えない。セットや大道具も金はかかっているが薄っぺらで、ヤクザをオシャレに描けば若者が喜んで見るとでも思ったのだろうか。萩原健一の竹中正久なんて、ミスキャストもいいとこ。画質も酷いね。

 まさしく当時の東映の迷走ぶりを象徴するような駄作と思ったが、アマゾンのカスタマーレビューを読んだらみな大絶賛でびっくり。実録路線の最高傑作、なんて評価もあって、正気かと思ってしまった。(2015/12/20記)
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