ハニルくん

T-34 レジェンド・オブ・ウォーのハニルくんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ロシア映画。戦車戦だけを描いたジャンル映画ではあるが、たぶん、これは私が観たロシア映画の中で初めての傑作であった。戦車に乗って闘うドイツの司令官イェーガーは、戦場で戦いを交えたロシアの司令官イヴシュキンに戦車戦のやり取りの中でこそ培われる妙な男同士の恋をしてしまう。その愛し合う方法とは戦車同士で死闘を行うこと。全編、男たちの玩具としての戦車の狭い操縦室で、当たる弾丸の衝撃と響き渡る爆音に、釣鐘の中に閉じ込められた和尚さんのように苦しめられながら大騒ぎして戦い合う。潜水艦映画でもそうだが、その特殊な空間的特殊性ゆえの名作である。イヴシュキン役の俳優は確かにハンサムで魅力的だが、イェーガーが最後に彼に握手を求めて死んで行くのがあまりにかわいそうで胸が痛い。