ArAー1

T-34 レジェンド・オブ・ウォーのArAー1のレビュー・感想・評価

4.6
【一言】
最っっっ高のタンク・ムービー!
戦車の重圧感と、しかし踊るように戦場を走る姿が本当に格好いい!
ソ連兵の忠義心や仲間意識と、ドイツ軍の組織力、両方の特徴が見事に強調された物語が最高に胸アツ!
アクションも、ラブストーリーも、完璧!



【感想外観】
 ロシアで大ヒットの戦車映画!
 今回は、立川シネマシティで岩浪美和音響監督による調整ということで、最近溜まった疲労や鬱憤を晴らしに行こうと鑑賞!
 もう、本当に最高の映画でした!
 これは、好きになっちゃう──////
 こんな荒々しい映画を観てしまっては、普通の自家用車なんて運転できっこないじゃん!!www

 あ、私は「戦車」は全然詳しくないです。
 なので、感想で見当違いなことを書いていても、大目に見てください....よろしくお願いします。

 戦車、マジでカッケエ!!
 戦争映画でありながら、完全に”戦車映画”!
 迫りくる重圧感に、爆音を轟かせるエンジン音、キャタピラの騒音に、車内に響く雑音。映像と音響の力強さと迫力が桁違い!
 それに、モンスター級の乗り物を扱いこなして戦う兵士たちの玄人らしい表情に、でかい図体が見せる敵軍との緊迫で繊細な戦いも最高!

 戦車の活かし方と、描き方が最高。
 敵戦車との一騎打ちに力が籠もったり、砲身の方向展開のスピード勝負にハラハラしたり、圧巻の機動力に度肝を抜かれたり。
 思いもよらぬ作戦を打ち出して相手の裏をかき、しかし敵も一枚上手で.....と、刻々と変化する戦況がまた面白い!
 ”見たい戦闘”以上の「勇姿」をとことん描いてくれるから、超感激で拍手をしたいくらいに興奮でした!

 物語が、胸アツの男泣きストーリーすぎる!
 とにかく良く出来たストーリーとキャラクターが最高すぎて最高でした!
 まるで、映画みたい!
 ナチス収容所での時間、戦車訓練までの過程、脱出計画を練るところ、ドイツ軍のイェーガー大佐とのやり取り、収容所で会った女性とのラブストーリー、絶体絶命な状況で上官に忠誠を誓うソ連兵......等々。
 男気溢れるストーリーがこれでもかと挿入されて、叫び出したいくらいに大興奮でした!

 映画自体も、映像も凄かったです!
 本作、本物の戦車を使っているらしいです。
 ヤバいですね、戦車ってあんな動きできるのかよ!臨場感もリアルさも質感も、全然違う大迫力!
 そして、盛り上げる映像も凄い!
 VFXを駆使したスローモーションの描写は、戦車の構造や画面の構図に徹底的にこだわった盛り上がれるシーンになっています!



【戦車版ワイルド・スピード】
 本当に、戦車がとにかく格好いい!
 これは、惚れるしハマる!
 登場する車をいかに格好良く映すのか、という点では『ワイルド・スピード』の右に出る作品はないので、そういう意味ではまさに「戦車版ワイスピ」です!

 めっちゃ「戦車映画」!
 主人公は人間の兵士だし、物語の内容も彼ら中心のものなんだけど、”主役”の位置に堂々と座しているのは、確実に鋼鉄の巨体・戦車T-34です!

 あくまでも乗り物とか兵器とか、そういう分類になる戦車ではあるけれど、T-34に対するソ連兵の厚い信頼とか、目の前にT-34を披露された時の感激具合とか、完全に「相棒」の立ち位置を締めていました。
 こちらも、うぉーーー!!!燃え上がるような応援が湧き上がって来ました!



 【重圧感】が凄い!
 進行方向にあるものは全てなぎ倒して、轢き潰して全身を続ける戦車の、人力敵わぬ圧倒的な【威圧感】は恐るべきものです!

 ゴゴゴと唸るような轟音のエンジン音。
 ガチャガチャと泥を跳ねるキャタピラ。
 起伏ある道で障害物を蹴散らす衝突音。
 真直ぐ砲身から放たれる弾丸の発射音。
 弾丸が着弾したときの激音と、爆発音。
 車体を弾丸が掠めた時の甲高い金属音。
 狭い操縦室に響き渡る指揮声と叫び声。

 ドロを巻き上げて走るキャタピラ。
 敵戦車に向けて砲身を回す仕草。
 弾丸を装填して、いざ打ち出す迫力。
 向かうところ敵なしの、戦車が前身したり後退したり、動く戦車が吐き出す【覇気】と【緊迫感】が凄かったです!

 それに、戦車を動かすロケーションが綺麗!
 巧みな操縦技術で回転したり、
 街の狭い路地を力任せに通り抜けたり、
 延々と広がる野原や森林を走ったり、
 泥でぬかるむ道を最大馬力で抜けたり。
 ソ連の雪が積もる荒れた大地ではなく、ヨーロッパ中央の町並みや自然が豊かで綺麗なところが舞台だから、まるでジオラマのようにすら感じる綺麗さがありました!

 これこそ、”映画”だなぁ、と観ていて思いました!
  圧倒される感じというか、とにかく重圧感が凄くて、これは映画館で観ることが出来て本当に良かったです!



【エクストリーム・戦車ムービー】
 戦車同士の戦い。
 お互いに完璧な装甲を施しているから、小さな衝撃では大したダメージにはなりません。なので、《いざ》戦車を破壊するほどの攻撃が威力特大で最強です!
 歩兵の機関銃が豆鉄砲に感じられるほど、戦車の強さは象徴的で印象的。そんな”鋼鉄の塊”が走ったり撃ったりは当然、片輪走行や急カーブをキメたりと、もはやサーカスのよう!(笑)

 特筆すべきは、「一騎打ち」。
 ソ連兵のイヴシュキン戦車長と、ドイツ軍のイェーガー大佐の間で繰り広げられる戦い。まさに《宿敵》と言わんばかりの徹底的な対立が相まみえる一騎打ちは、とにかく「映画」の凄さ!

 勝たねばならぬ理由を双方とも持っているから、必然的に必死になるし、執念深くなる。そんな状況で繰り出される戦車テクが凄かった!
 相手の意表を突く攻撃、全速力の逃亡と追跡、急カーブに爆速バック。ワイスピ顔負けのタンク・チェイスが物凄い!

 そして、「砲身の転換」がヤバい!
 敵戦車と相まみえた瞬間。
 どちらが先に砲身の方向を転換して、相手に照準を合わせて、弾丸を発射できるか、「生きるか死ぬか」が懸かるのが、この砲身の方向転換。
 手動でグルグルと歯車を回すしかない。
 ゆっくりした砲身の動きとは裏腹に、「どちらがが先に撃つか?」という心臓が止まりそうな緊張感が戦場には満ちています。
「もう撃っちまおうぜ!」
「いや、まだだ」
「でも、コッチがやられちまう!」
「我慢しろ!」
 「敵より遅いとやられる」という、文字通り《必死》の緊迫感が煽られて、神がかっている怖さに、手に汗握りました。
 この絶妙なコントラストによる焦燥感は、もしかしたら戦車以外の乗り物では演出できないかもしれません!



【胸アツ漢泣きストーリー!】


 映画のストーリーが良かった!
 多少の粗はあれど、観たいものを媚びるようにとことん詰め込んでくれていて、「戦車映画を映画館で観る価値」をとことんスクリーンに映してくれて、もう最高かよ!

 序盤からソ連兵の忠義心を見せつけられ、挨拶も早々にクライマックス級の戦闘を見せられて大満足。なのに、そこからさらに展開させる物語と、バトルが本格始動で感無量!

 胸アツ過ぎる展開と内容!
 もう、冒頭のシーンから「マジかよ、強すぎ!」と叫びたくなる強さ。そこからイヴシュキン少尉による兵士を鼓舞する演説が入ってもう胸はヒートアップ。
 収容所での辛い生活の中での転機に「お前か!」と大興奮。軍事演習の標的となるT-34と対面した時にこみ上げる感情は熱く、整備するなかで磨かれる仲間意識がまた熱い!
 いざ、たった6発の弾丸での脱出劇に血が騒がないわけがなく、加えて美しい女性とのラブロマンスまで大盤振る舞い!

 ネタバレだから、言えない。
 でも、「怒涛の」という言葉が合うような、胸が燃え盛るようなストーリーがギュッと濃縮されていてしました!

 捕虜となったソ連兵 vs. ナチス・ドイツ軍
 この対立?が良き。
 ソ連兵の方はスターリン崇拝や同志の信頼など、仲間意識が非常に強いバディ・ムービー的な印象でした。
 一方で、ドイツ軍の方は圧倒的な組織力が主。4人の脱獄兵に最大限の軍事リソースを割くあたり、真反対の性格。
 この真逆の両者の激突が、これまた最高に胸アツ!
 それに、ナチスがめっちゃナチスらしかった(笑)

 そして、男泣き。
 あのシーンと、あのシーン。
 絶体絶命の状況で”彼”が放った銃弾が危機を救ったあの夜と、”彼”が敬意の証に見せたあの仕草。
 ネタバレだから、書けない。
 でも、マジでめちゃんこ泣けたし、感動したし、戦争映画の醍醐味でもあるし、味方も敵もアッパレんですよ!

 キャラクターがまた、良いんだぁ!
 個人的にはドイツ軍のイェーガー大佐が大好き。
 頬に大きな傷跡の残る、いかにも「自信家の悪いナチスの軍人」という雰囲気がプンプンと漂う彼。
 でも、その一方で、イヴシュキンらの戦車操縦の腕前を素直に褒めたりと相手への尊敬を忘れない点が立派だと思います。
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