救済P

10thアニバーサリー 劇場版 遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜の救済Pのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』から武藤遊戯およびアテム、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』から遊城十代、『遊☆戯☆王5D's』から不動遊星の3人が一同に介し、破滅の未来を防ぐためにペガサスを暗殺にきたパラドックスとデュエルで戦う話。

とにかく作画がよく、遊戯、十代、遊星が最大限カッコよく演出されている。とくに見せ場である口上~デュエルディスク展開までのシーンは三者三様のそれぞれの個性が感じられるシーンで遊戯王10年間の築き上げてきたからこその魅力を感じる。
デュエルメイクもうまい。オリカが多いことが少々気になるが、十代の発動した【クリボーを呼ぶ笛】で遊戯が【クリボー】をサーチし危機を乗り切る描写は十代がデュエルアカデミアでデュエルキングである遊戯をリスペクトし、かつGX最終回で遊戯とデュエルしたからこそ生じた機転でデュエルアカデミアで学んだことがうまく活かされている。最後のそれぞれのエースモンスターが文字通り力を合わせて【Sin トゥルース・ドラゴン】を戦闘破壊する展開は当時の現行アニメである5D'sの主人公、遊星の独りよがりではない、それぞれの力が結集したものになっておりアツい。

十代がしっかりとGX最終回で遊戯と一戦交えたことを踏まえたデザインになっており好感。時の人である遊戯を知識でしか知り得ないために遊戯の一挙手一投足に新鮮さを覚える遊星と、すべてを理解した上で遊戯に背中を預ける十代の対比は歴史の重みがある。
ゼロ・リバースを経験した後にそれでもなおサテライトの復興を諦めなかった遊星の未来志向がパラドックスにより予言された破滅の未来を前にしてもなお揺らぐことがない一貫性が美しい。
個人的にユベルの嫁面がほんとうに嬉しい。「避けろ、十代」ってなに!?二十代と化した後の放浪の中でユベルとの関係もより確固としたものに変わりつつあることが示唆されていてありがとうございますでしかない。

1vs3なのでリソースに差がありすぎていたりダメステに発動できないはずのカード使っていたりと細かいツッコミどころはあるが作画の良さに裏づけされた素晴らしい演出と丁寧なキャラクターデザインは遊戯王10周年作品として申し分ない完成度を誇っている。ロンブー淳の演技、歌唱も全然悪くない。歌詞気持ち悪い主題歌ももはや全然好き。願わくば【Sin】関連カードのOCG化と新規を進めてほしい。
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