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犬王のnanaのネタバレレビュー・内容・結末

犬王(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自由なアニメーション表現で観客を驚かせ続けてきた湯浅政明の最新作は、室町時代×猿楽×ロック×ポップ音楽映画。
和風ミュージカルをやるとき、そうかこういうやり方があったのか!と思った映画としては、岡本喜八の『ああ爆弾』を思い出しました。

かつて、この国にどのような音楽が存在したのか、どのようなアーティストが存在したのか。
記録されていないことはもう分かりません。
オーディエンスだってあんな感じに盛り上がっていたかもしれないし、クイーンみたいな曲もマイケル・ジャクソンみたいなダンスだって存在したかもしれない。
当時ある技術を駆使したライブ演出もあったかもしれない。

厳しい現実を描く悲劇だとしても、それでもなかったことにされた者、消されてしまった者への優しい眼差しのようなものは、湯浅さん、脚本の野木さんの作風を感じました。
いつも監督の作品は、一言でハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、何とも名状し難い気持ちになります。

二人は今もどこかで自由に歌って踊ってるのかな?
再上映で見届けることができて良かったです。
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