MasaichiYaguchi

電車を止めるな! 呪いの6.4kmのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
千葉県銚子市のローカル鉄道である銚子電気鉄道が、変電所の修繕工事で必要な1億円を上回る資金調達をする為に製作された本作は、タイトルから分かるように社会現象にもなった大ヒット映画に準えたり、製作の音頭を取った銚子電鉄の竹本勝紀代表取締役が超C(銚子)級作品とオヤジギャグで宣伝したりしてウケ狙いを前面に出している。
厳しい経営環境の中で廃線危機と背中合わせのローカル鉄道はサバイバルするには形振り構っていられない、何でもありなのだと言うことがヒシヒシと描かれたドラマから伝わって来る。
本作では、資金調達の起死回生策として「心霊電車」を企画し、その様子を動画配信することで集客して売り上げアップを狙うのだが、企画した演出が滑るだけでなく予想外の緊急事態が起こったりしてカオスへと突入していく。
果たして電車は無事にゴールの駅に到着することが出来るのか、そして修繕工事の資金調達は出来るのか?
銚子電鉄と言えば大ヒットの「ぬれせんべい」を思い浮かべるように、その後も「まずい棒」「バナナカステラ」等、食品販売が売り上げの7割を占めているとのこと。
もはや電鉄会社というより食品会社のようになっている感があるが、全ては廃線させない為の多角経営なのかもしれない。
映画は最後まで予断を許さない展開を見せるが、本作は或る意味、金を掛けた銚子電鉄の自虐ギャグとローカル愛に溢れたプロモーション映画かもしれない。