ヨンナムとウィジュがもうべっそべそに泣きながら、それでも生き残ろうとビルをよじ登り屋根を駆け抜けるのが最高。とにかく2人が走り出してからが本当に面白い。疾走シーンもやたらかっこいい。有毒ガスの設定がガバガバなのを忘れるレベル。
ありあわせの道具でサバイバルするのは見ていて楽しいし、2人ともするする壁を登ってお互い足を引っ張ったりしないのもストレスフリー。「自分を置いて先に行け！」的なクソくだらない展開もなし。とにかく生き残るのに必死。必死だから家族のために救助ヘリに乗れなくて、「乗りたかった！生きたい！」と泣く。すごく正直で良いなと思った。
大学でロッククライミングをやっていた、という設定なので「あ、ビル登るんやろな…」と思うでしょう？登りますね。もうぐっしょぐしょに泣きながら登ります。ヨンナムもウィジュも泣き顔ぐつしゃぐしゃ。だがそれがいい。誰も泣くのを我慢せずに声をあげて泣くものだから、観ているこっちもずっと泣いてた。
誰だって死にたくないけど、人間としての尊厳と倫理をもって行動できる2人なのが安心して観れた。べそべそに泣きながら2人でびしっと指を指すシーンがとても良かった。1番好きなシーン。
もうずっと2人とも泣いてたけど、スーパーマンでもなんでもないんだから当たり前だ。でも2人の行動は確実に誰かを救った。ずっと顔ぐしゃぐしゃだったけど、2人は確かにヒーローだった。
劇中「女だから」とか「男だから」という理由で行動する人物がいなくて、ヨンナムとウィジュが完全に対等な存在だったのも良かった。ヨンナムが先に行くときも、ウィジュが先に行くときもきちんと合理的な理由があった。
韓国映画はそういう点で安心して観られる。
