このレビューはネタバレを含みます
木下恵介をナメていた
これはすごい映画だ
何代にもわたって、軍人として生きることに誇りを持った一家の話
この映画の公開は1944年
陸軍後援で戦意高揚を目的として作られた映画である
しかしクライマックスで強調されるのは国威発揚や戦意高揚ではなく、母が子を想う気持ち
田中絹代、笠智衆演じる夫婦の長男が出征するその日、母たる田中絹代の様子が一変する
呆然とした表情で軍人勅諭を呟き、行進の音を聞きつけ、いてもたってもいられず飛び出して、つまずきながら向かった先に息子の晴れやかな顔を見つけ、群衆をかき分けなんとか行進について行こうとする彼女の顔
一連のシークエンスの素晴らしさは演出の面でも、演技の面でも圧倒的