「北野武」と「ビートたけし」との間で分裂、葛藤を続けてきた監督だが、『首』ではまた新たな境地に入ったらしく、本作ではテレビで見る「あの」ビートたけしと近い印象でかなり楽しそうだった
あんなに死に魅せられていたたけしが絶対に死なない役をやるなんてびっくり
しかしたけしが場面に居ない間はみんなピリッと締まっているので緩急がつきすぎていてどう総括すれば良いかよく分からない仕上がりだった
どのキャラクターも良くて、後ろ姿でも血管バキバキの加瀬亮とか、死に際がカッコ良すぎる西島秀俊とか、イメージとあまりに違う大竹まこととか、全員ハマり役だった
これまでの北野映画ではラブシーンってこれまでほとんどなくて、暴力でしかないようなセックスシーンはいくつかあっても、対等な人間同士のラブシーンは無かったと思う
それは北野武が女性キャラに主体性を持たせることに全く興味がないせいだと思うんだけど、衆道となると撮れるのか‥！というのが今回の発見
