陸軍の作品情報・感想・評価

「陸軍」に投稿された感想・評価

実直にプロパガンダするようで最後、田中絹代の表情だけで国威発揚のコードを脱線させる《映画美学》の抵抗。すごいことやったよ・・・
えま

えまの感想・評価

3.7
戦中ということもあって今見たらなんかむかつくこととかいろいろ引っかかるセリフとかあるけど母親役の田中絹代が最高 息子が出兵するなんかパレードみたいなのを追いかけるシーンで泣ける 最後の最後、息子と母親の目線がちょうどタイミング悪く(良く?)合わなくて、そやのにそのまま母は人ごみに流されて二人の距離がどんどん離れて行くとこがめちゃくちゃ悲しかった あと出兵前夜の夜9時?とかの鐘が鳴った時のお母さんの顔も絶妙でウッてなった てかそういう悲しむ母親とかの描写が繊細で、えそういう感じでいいんだってなった 戦争を鼓舞してるように見せかけてやっぱりどこかにそういう反戦的な雰囲気もさりげなくいれてて、たぶんこっちが本当に伝えたいことなんだろうなて感じ
むかつく戦争むかつく
かつて日本国民一丸となってこうもたやすく洗脳され戦意高揚させられてたのかと唖然とするしかない戦慄の日常シーン。どんな中身だろうが多数派が正義になってしまうのは何のこたあない今もまるで変わらずで人間の意識とは何なんだろうと考えこまされる。それでも塗り固められた多数派意識の常識を突き破って走り出してしまう母親の姿と、こんな抵抗をしてみせた木下恵介の意志と力量に戦慄するしかない不朽のラストシーン。走って奔って、それでも出征していく息子を止めることは当然ながら出来ず、そうやって一丸となって300万人以上が死んでいった。今一度確認しよう。これは洗脳が解かれた戦後にではなく、戦時中真っ只中に作られた途轍もない反戦映画だ。
ほたて

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4.3
はじまりのみち で気になって鑑賞

笠智衆さんと息子さんが親子で一つの役を演じていた…!

あ〜なんて名ラスト
三国干渉から大東亜戦争までずっと生きてる田中絹代の年齢設定は果たして大丈夫なのか心配していた。

笠智衆の息子が成長したら笠智衆になったりするのが面白かった。
木下恵介監督は、うん、やっぱ凄いわ。
ラストシーンをよく撮れたな〜。
戦意高揚映画のはずなのにね。

途中でお茶受けのお菓子に鶴乃子が出ていた。
僕の大好きなお菓子。
現在の箱と同じだった。
素晴らしいね!そこも感動した!
ラストシーンはちょっとエイゼンシュタインの映画なんじゃないかってくらい通づるものを感じた。
ただ親が子の出征を見届けるシーンなのに音楽や群衆の使い方など実にダイナミックで静かな感動と余韻(反戦的な意味で)を感じて止まない。
やま

やまの感想・評価

3.6
戊辰戦争とか、江戸時代末期に生まれた人って本当の平和を知ることもなく死んだと考えると可哀想。

戊辰戦争から大東亜戦争にかけての3世代の家族を映し出したこの映画。
息子には強くなってほしい。陸軍に入隊し、天皇陛下のために死んでほしい。こんなことを本気で祈る親がいたと言うんだから、本当に恐ろしい時代だ。

オープニングから、当時の大日本帝国というものを思い知らされる。迫力のある感じ。元寇のくだりであったり、当時の社会状況、戦争の事とか知らないと分かりにくい話ではあったと思う。

非常に印象的なシーンは、息子が教科書を踏みつけるのを見て叱りつける母親のシーンだ。恐ろしい。いかに天皇陛下が絶対的存在だったかを意味している。今の子なんて落書きして、失くしたりもするのに。

そして息子二人と父親と母親。肩もみをしてもらい。愛おしいシーンのように思えるが、言ってることはすさまじい。病気で死ぬなんかつまらないからな、しっかりと戦って死ぬんだぞと息子に言いつける。息子は、分かりましたと元気よく応じる。本当にこの時代どうかしてるぞ。

そして、息子を送らずに家で留守番する母親。念仏のように何かを唱えてる。何を言ってるかはよく分からなかったが、息子の元に走る。息子に頑張れとエールを送り終えるこの映画。死にゆく息子に哀れんで送るのじゃない。天皇陛下のために命をかけて戦えと見送る。まさに狂気。

まさしく戦時中ならではのプロパガンダ映画なのだが、息子のことを思う一面であったり、優しさは垣間見れる。


これだけは言える。この時代よりまともな時代に生まれて良かったぁ〜
たく

たくの感想・評価

4.5
国威発揚映画的な作り。
当時はこういう描き方しかできなかったろうね。

日清戦争以前から繰り返されてきた日本の戦勝の歴史において、お国のために尽くして軍隊で活躍することが男の生き様。
代々病弱で軍隊に向かない家系だけど、鼻っ柱の強さで際立つ笠智衆。
そこに惚れ込む奥さんの田中絹代。
息子の貧弱さを何かと叱りつけるスパルタ教育。

ラストの息子の出征シーンでついに田中絹代の本音(本当は戦争に行ってほしくない)が画面からにじみ出るのがいい。
最後は晴れ晴れとした息子の笑顔に会えて安堵する田中絹代で幕。
「花咲く港」も同じ感じだったけど、時代の制約があるね。
その点、「笛吹川」は反戦メッセージがすごかったな。
うさぎ

うさぎの感想・評価

5.0
田中絹代のこの迫力……震えます。ノートパソコンの小さな小さな画面の前で圧倒されました。星五つじゃ足りない。こんなに素晴らしい映画があるだろうか。
なんだかシーンが生きてます。魔法がかってる。
素晴らしい女優さんというのは、映画をほんものにできるのかもしれませんね。
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