風来坊

乱暴な記録の風来坊のレビュー・感想・評価

乱暴な記録(2019年製作の映画)
3.0
借金で追い詰められた悪徳刑事のカン。麻薬取引のブツを横取りしようとするが失敗。その際にカンを守ろうと若手刑事が殉職。カンは彼に汚名を着せ追及を逃れる。数年後にカンの元に記者が訪れ、カンの中に燻っていた罪悪感が復讐の火を灯そうとしていた。韓国製のバイオレンスアクション。

この手の韓国映画にある重厚さと熱さを期待して観たのですが、ストーリーも映像もあまり熱いものを感じず思っていたのと違いました。
下衆でクズな悪徳刑事が心代わりするにはエピソードが弱いですね…。若手刑事が殉職するのも早過ぎる。もっと相棒として絆を深めてからの方が重みが増したような気がします。最初のエピソードだけでは足りない。

ひねくれたえなりかずきみたいな風貌の記者もなんか好きになれない…。
後半は更に主人公と行動を共にするキャラクターが加入するけど、この人ももそんなに魅力を感じない。見所の筈の3人の掛け合いが、面白くないです…。繋がりに熱いものを感じないからかも知れません。

前川泰之さん似の悪役もキャラがブレ過ぎで前半と後半の印象度が違う。
手出し出来ないような組織のボスに意外にあっさりたどり着くのも何だか…もうひと波乱あっても良かったかな。

主人公を演じた主演のユン・ドゥホンさんはスタントマン出身という事でアクションシーンの動きがキレキレで魅せてくれます。
荒々しくもスピード感溢れる格闘アクションというより、乱闘アクションという表現がしっくりくる戦いは必見。その場の物を利用して戦うのも面白い。

終わってみればアクションと主人公役を演じた無頼顔のユン・ドゥホンさんの気迫に満ちた好演しか印象に残らない映画でした。
名作が多い韓国のバイオレンスアクションという事で期待し過ぎたかも知れません。それでもたった1人で多勢を相手にするアクションと、乱暴で激しい復讐劇は見映えがありまあまあ楽しめた作品でした。
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