うぐいすもち

キングメーカー 大統領を作った男のうぐいすもちのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

圧倒的な光とその光に囚われる影の物語です
ソル・ギョングさんとイ・ソンギュンさん、2人の圧倒的な演技力を堪能できる作品でした


・ウンボムの演説にふと足を止めて、ハイ、出逢っちゃった...
・お手紙に押し花を添えるロマンチックさに震えた 好きです それにしてもイソンギュンさん良い声 ウンボム陣営での演説もあの声抑揚で説得力の塊すぎた
物語の上り調子のときの活気が好き チャンデが過去を振り返った時の最高の日々はここだったんだろうな...

・チャンデとウンボム考え方って割と初めの方から齟齬があることを描かれてるんだけどチャンデがどうしようもなくウンボムに光を見出して魅了されてしまったのが全ての始まりなのがたまらない

・爆弾事件の後の2人のシーンが最高
最後まで信じたい気持ちで絞り出すように疑念を口にするウンボムとほかの誰に何を言われても良いけどウンボムにだけは言われたくなかった言葉を聞いてしまった時のチャンデ...
絶望や悲しみやそれでも消えない憧憬が混じった複雑な表情が素晴らしかった 
その前に公認の約束取り消しと政治家失格の烙印を押されていたとはいえあの一言が真の意味での最後のひとおしとなって悪魔のように頭の良いチャンデが何一つ弁明せずに去るしかなくなってしまったのだと思うと泣ける
なんと言う切ない別れ...イ・ソンギュンさん凄いよ...
あとこの時点でチャンデは肯定してたけど爆弾仕掛けたのか否か5:5くらいに思える描き方で映画の後半でそれがわかる構成が好き

敵陣営に入ってからウンボム陣営を追い込んでいくチャンデが最終的に勝っても少しも嬉しそうじゃないし報酬をもらった後あんなに立ちたかった表舞台への切符を捨てて立ち去るのが切ない
キリストを売った後報酬を受け取り姿を消すユダのようだった ユダ的役柄が大好きなのでチャンデを愛さずにはいられない 
不汗党もそうだけどふとした時にどこかキリスト教の気配が漂うのを感じる
チャンデが「政治家に向いてる」と言ってくれるイ・ジュンピョ室長の言葉ではなく「政治家には不適だ」と断じたウンボムの言葉を手放さないのがなんともいえない良さでした 実際のところチャンデは室長よりの人なので正当に評価されるにはその場にとどまった方が良いんだろうけど離れていてもウンボムという光に惹かれ続けていくのかと思うと...

・無粋を承知で言いますがラストの17年後の邂逅は実際会ったの?それともチャンデの心の対話なの? どっちでもいいけどもし会えて会話できたのなら良かったです...
が、ウンボムの敗れた大統領選後う立ち去るシーンで終わってても良いかもしれない...

・猫撫で声のウジンさんも手段を選ばない底のしれない恐ろしさがあって良かった

・それはそうとビョン・ソンヒョン監督のミューズはソル・ギョングさんなのですねってひしひしと伝わる作品でした 
うぐいすもち

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