キングメーカー 大統領を作った男の作品情報・感想・評価

「キングメーカー 大統領を作った男」に投稿された感想・評価

raga

ragaの感想・評価

3.0
民主政治への理想を掲げる裏で民の分断を図る策略は、政治のあり方がすでに歪んでしまっている。本来は全ての人を救うべき機構であり、憎悪を助長すると格差の拡大へと陥ってしまう。為政者の資質とは何か、この作品を日本政府の必須と提唱したい。
登場人物の感情を表現したとてもわかりやすいBGMのダサさに鼻白む。こういう演出がなければ、セットの美術はいい出来だったので政治サスペンスとして上質だと感じる。
民主化運動から大統領になった金大中の裏面史を影の参謀の男の視点で描いたポリティカルエンタメ。

崇高な目的こそが重要と説く理想主義の候補と、実現のためには違法でも手段は問わない現実主義者の対立軸が映画内を縦横無尽に駆け巡る。

コミカルさとシリアスさ、政治の表の理想と裏側の現実の緩急。テンポがもよくなかなかの完成度。好みとしてはもう少しドロドロした愛憎劇を観たかった。

あの頃の韓国政治裏面史という意味では『KCIA 南山の部長たち』を合わせて見るのがおすすめ。こっちは死ぬほど面白い
金大中キム・デジュンさんの選挙参謀の話なのですね。
するとあいつは金泳三キム・ヨンサムなのか・・と。

舞台は軍事政権下の韓国です。

民主化は1987年、ソウル五輪が1988年。
彼が大統領選に遂に勝つのは1997年のこと。

キム・デジュン=役名キム・ウンボムはソル・ギョング師匠。
選挙請負人オム・チャンノク=ソ・チャンデはイ・ソンギュンさん。

この映画、何より面白いのはこの二人の掛け合いですね!

****

ストーリーは事実ベースですし、まあ仕方ないとして・・
うーん、ちょい《どっちつかず》かなあ。
「KCIA」みたいにひたすらシリアスに人物の心の変化を!みたいなわけでもなく、かといって「タクシー運転手」のようなドラマチックに仕立てたわけでもなく、同監督の「名もなき野良犬の輪舞」でもない。
たぶん韓国民は各賞を受賞した「名もなき野良犬の輪舞」をイメージして観たことでしょう。で、今作の評判イマイチなんでしょう。うん、わかるわかる。
まあね、でも同じことしても「同じじゃん」って言われちゃうしねw 大変ですね、映画監督。
ピョン・ソンヒョン監督、まだ41歳!若いし次に期待!!


<399>
韓国映画は特に、本作のような「ポリティカル・サスペンス」の実話モノが特に質が高いと思っている。かつてのハリウッド映画の超大作作品よりもややローバジェットな手頃な娯楽作品として、ちょうど良いシリアスさを体現しているのは、現代の韓国映画ということになるのだろう。

本作は、金大中(キム・デジュン)とその側近である巌昌録(オム・チャンノク)をモデルにしている。
地方での国会議員選挙や韓国大統領選挙を通して「韓国に民主主義を」と理想に邁進するキム・ウンボム(ソル・ギョング)とその「影」として、ソ・チャンデ(イ・ソンギュン)の友情と愛憎の物語が軸に展開される。

本作の面白さは、その「独裁政権」たる韓国に、リベラルな理想主義を貫徹しようとするウンボムに対して、現実世界で選挙に勝ち残っていく為として「悪によって悪を制す」というチャンデの思想と感情をじっくり描いていくところにある。
ウンボムの理想に傾倒し、その情熱に突き動かされていくからこそ、命懸けで貢献するチャンデ。
グレーどころか、真っ黒な政治闘争も厭わずウンボムを盛り立てていくチャンデのやり方を、口では批判しても、その力を利用するウンボムの関係の面白さ。

ウンボムの側から見れば、政治に対しての理想は本気に違いなく。とはいえ、正攻法では選挙に勝てない。チャンデのやり方は好きにはなれないし、「影」から表に出たがっていることも知ってはいるが、表に出したくない。そこには保身も介在し、搾取の感情も介在し、という幾重にもある多層な感情がチャンデという存在を通して炙り出されていく。

一方で、チャンデの目を通せば、その理想の眩さと。自分自身の最も秀でた「アイデアマン」としての能力に「大義」を与えてくれるのはウンボムだけであり、理想と手段のバランスが、資質的に噛み合わない不幸が切なく響いてくる。
だからこそ、中盤にある「決別」シーンの苦しさは、これまでも多くの映画が描いてきたように、ある種の「恋愛映画」的な展開になっていく。

同じものを見ていて、しかし、そのバランスが崩れ、どちらか一方の強過ぎる思いと、どちらかがその感情を利用するだけになっていく関係に変貌していく。
その中で、露になっていく「そもそも」が違う人間であり、違う考え、感じ方を持っているという普遍的な部分が露わになる苦しさは、実に恋愛映画における「愁嘆場」として本作の名シーンとなっている。

現実世界の中で、普遍的な正義などではなく夢見がちな理想の中にあるご都合主義や、利他的だと信じて疑わなかった感情がやがてエゴに飲み込まれていくという生々しい感情のドラマとして、とても面白かった。
koro

koroの感想・評価

3.5
勝つためにどんなことでもする。大胆で少し笑える所が映画の様な実話。

前半、眠気に何度も襲われたのはイ・ソンギュンの低音の声のせいなのか。
 光と影、忠誠と陰謀が渦巻く韓国の政治の世界の断片を表現した映像と声。

列車のガラスに映る文字がいい。
tzremk

tzremkの感想・評価

4.0
60年代当時の韓国の歴史を知っていれば、尚面白いはず。「勝利してこその正義」と言う思想の怖さ。眩い光に比例する色濃い影…。それぞれの生き様が儚く哀しい。イ・ソンギュンの声は反則。
hidebo

hideboの感想・評価

-
いつもながらのソル・ギョングの憑依演技。演説会での声のかすれまで再現して、このまま出馬するんじゃないかと思うくらいだった。
選挙参謀ものはハリウッドの十八番だけど、韓国映画はまるで別ジャンルだった。
ウ・ヨンウ父とか梨泰院会長とかナビレラハラポジとかに会えて嬉しい。
hiro66

hiro66の感想・評価

3.0
イソンギュン目当てで視聴。ハリウッド実話ベースウェルメイド風で、同じようなクオリティを達成している。同じようなクオリティなので、韓国ドラマほどには面白くはなかった。
okimee

okimeeの感想・評価

3.7
もう少しちゃんと知っておきたかった..!

でも、策士の汗と涙......

おもしろいね〜!

でもやはり工作がいちばんだな。。
ジジョ

ジジョの感想・評価

4.4
目指す理想を達成しなければ変えられないことがあるけれど、達成に至る手段の正しさは長い目で見れば大事なことのように思う。手段を選択するベースには、大切にするべきものが何であるかという思想がある。

エキサイディングな物語の展開に心奪われるけれど、史実をベースにしているという現実は重い。

韓国のこの時代の映画を観ると「民主主義を忘れるな」と言われている気がする。たくさんの犠牲の上に勝ち取った自由であるはずなのに、今の現実はどうだ?と問われているような。
そして日本も他人事では無いと思うけれど、このような映画を作れる国は健全のような気がする。
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