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福岡のsonozyのレビュー・感想・評価

福岡(2019年製作の映画)
4.0
韓国のチャン・リュル監督によるタイトル通り福岡を舞台にしたちょっと不思議な物語。
(ここにジャケ写がないのでIMDbなどで)
https://www.imdb.com/title/tt9619016/
と思ったらジャケ写出ましたね。

韓国で古本屋を営むジェムン(ユン・ジェムン)は、店の常連らしい不思議少女・21歳なのに女子高生の制服を着ているソダム(パク・ソダム)に誘われるまま二人で福岡へ向かう。

福岡に到着。二人とも日本は初めてで日本語も分からない。
だが、ソダムは何故か日本人とコミュニケーション出来ているようだ。
ソダムが手配済みのAirbnbのマンションの一室に二人で入ると畳部屋でソダムはすぐにいびきをかいて寝ちゃう。

その後、二人が向かったのはカウンターだけの小さな居酒屋「酒房 野菊」。店の店主へヒョ(クォン・へヒョ)はジェムンの顔を見るなり怪訝な表情になる。
実は二人は大学時代の友人だったが、当時(28年前)ある一人の女性を巡り仲違いしたままの関係だったのだ。
ソダムは二人のよりを戻すためにジェムンを福岡に連れてきたのだろうか。。。

ソダムは二人から離れ一人でぶらついたり、また三人で過ごしたり。
公園では、村上春樹の本を読み涙する中国人女性とベンチに並び、ソダムはジェムンの店で手に入れて持参した中国の古書「金瓶梅」を見せたり、やはり中国語が分からないのにコミュニケーション出来ている。

三人はへヒョの知る古書店「入江書店」へ入る。
へヒョが店に立っているユキ(山本由貴)に、数日前に会ったオーナーについて聞くと、私がオーナーで祖父のことなら2年前に亡くなっていると応え、煙に巻かれたようなへヒョ。
さらに店に飾ってある市松人形について、1年前にソダムが持ってきたものだと語るがソダムは日本に来たのは今回が初めて・・・

ラストまで掴みどころのない不思議な時間が流れていきます。

「パラサイト 半地下の家族」で娘のギジョン役を演じたパク・ソダム、可愛いですね〜。
日本語や中国語を知らないのにコミュニケーション出来ちゃう、妖精?古書の霊?・・不思議なキャラクターを演じてます。

福岡フィルムコミッションの協力のもと撮影されたということで、気になるスポット、お店も多数です。

予告編
https://youtu.be/8Sl-qJBu5w0

〈メモ〉
・居酒屋「酒房 野菊」
・古本屋「入江書店」
・「みやけうどん」
・「KIDS CLUB」:マスターが本人役で登場する古いアパートの1階にあるカフェバー
・「珈琲花坂」:「大人は判ってくれない」「コーヒー&シガレッツ」「フランシス・ハ」のポスターが貼ってあったカフェ
・天神のNTTの電波塔
・尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩「自画像」(酒房 野菊の店内に貼ってあったもの)
・「金瓶梅」ソダムが持参した中国語の本(中国四大奇書のひとつであり、ポルノ小説の古典としても有名らしい)
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