慶州や柳川などで知られるチャンリュルの作品。古本屋を営業している男が若い女に連れられて日本の福岡に行く話。
例によってちょっと不思議で、ユーモアが効いていて、緩くて、見心地の良い作品でした。今作は基本的に他のチャンリュルの映画と同じで、特に何かが起きるわけじゃないけど、どこか魅入ってしまう空気が漂っていたのが素晴らしかったです。
群山に続いてパクソダムが出演していましたが、彼女のおかげでおじさん2人にも花が出ていたし、良い役者だなと改めて感じさせられました(あれほどの美少女がおじさんを旅行に誘うことは絶対にないだろうけど)。演じているキャラクターの名前がそれぞれ本名と同じだったり、ソダムが日本人形を撫でながら歌を歌うという群山へのセルフオマージュがあったりして、メタ的な要素がサプライズになっていたと思います。個人的にかなり意外だったのが、カメラが固定されているカットが圧倒的に少なかったことです。チャンリュルと言えば、慶州のようなフィックスでの撮影の印象の方が強かったんだけど、今作はまた別のアプローチがされていました。
何かとミステリーやらスリラーやらにエロとバイオレンスをごった煮にする韓国映画が多い中で、チャンリュルは全く違う方向性なのが素晴らしいと思います。緩くて不思議な作品が見たい人にはオススメ出来る一本です。