もりいゆうた

ソウルフル・ワールドのもりいゆうたのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.5
これ見るためだけにディズニープラス入った!!!売れないミュージシャンが夢を追うっていう設定だけでここまで圧倒的な世界観でこんなにも独創的なものを作れるのかと思わず唸らされた。『インサイドヘッド』もとんでもない世界観だった、ピートドクター監督本当にすごい。『カールおじさんと空飛ぶ家』も良かった…!

(序盤はジョーが『イエスタデイ』の主人公にしか見えなかったけれど)、ずっと華やかな舞台で演奏することを夢見てきた主人公。やっとの思いで憧れの人といざ演奏してみると、充足感が半端ないのかと思いきや意外とそうでもなくて冷静で。こんな大したことのないものを自分はずっと追い求めてきたのかと。夢を叶えても幸せになれなくて、大切なのは結果ではなく、苦しいこともあるけれど夢を叶える過程こそが最良の瞬間だったと気付く(仮に夢が叶わなかったとしても)。幸せはすぐそこにあったのだ!

わかる。めちゃくちゃわかる。経験あります。夢を叶えるって実は残酷なことでもあって、夢を叶える=理想が現実になる、ということで。理想が現実になってしまうので、そんなに羨むものでなくなってしまうのね。それでも我々は生きなければならない。人生の意味なんてそんな大きなこと考えなくていい。今この瞬間に没頭し楽しむのだ!そうすれば将来どうしようとか不安とか人生の意味とか考えなくなるから。

夢への向き合い方ってすごくすごく難しい。『トイ・ストーリー』や『ニモ』みたいなわかりやすい王道ストーリーではなく、ピートドクターが作る物語は成熟したストーリーなので一般的にはそこまでウケないかもしれないけれど、久しぶりに胸が熱くなりました。過去の22番(22作品)あるピクサー映画の中でも特に素晴らしかったと思います。あぁ、映画館で見たかったなぁ。