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ソウルフル・ワールドのHKのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.8
ディズニー・プラス3カ月無料お試し期間、気づけばもう最終月。
本作はたしかフィル友さんたちの評価が高かったようなと漠然とした記憶のみで鑑賞。
ピクサーの作品を観るのは『トイ・ストーリー4』以来5年ぶり。
子供向けとかファミリー向けとか書かれてますが、これは完全に大人向けの作品ですね。

ジャズミュージシャンを夢見ながらも中年となった音楽教師の主人公は、ようやくチャンスを掴んだ当日に事故であの世に・・・というところから映画はスタート。
なんとか死ぬ前の世界に戻りたい主人公は『天国から来たチャンピオン』やその元ネタの『幽霊紐育を歩く』なんかを思い出させます。

おなじみの天国への階段は本作ではデジタルでフラットな自動遊歩道のイメージ。
トムとジェリーの「天国と地獄」の回でもトムが死ぬと天国へのエスカレーターが出現したのを思い出しました。

でも本作の場合、あの世と言っても天国や地獄ではなく、主人公は人がまだ生まれる前の“魂(ソウル)”の世界に迷い込んでしまいます。
主人公がそこで出会ったのが、人間の世界に生まれ出る目的(メリット)をみつけられないまま何百年もソウルの世界に留まっている引きこもりソウル22番。
あることで利害が一致した2人は一緒にそこからの脱出を図りますが・・・

監督は『モンスターズ・インク』『インサイド・ヘッド』のピート・ドクター。
これらは子供向けのせいか私にはイマイチでしたが、本作は楽しめました。

本作では“生きるのに目的や目標は必ずしも必要ではない”
“何ものかになることが人生の目的ではない”と言います。
似たようなセリフをどこかで聞いた気が・・・

河瀨直美監督『あん』(2015)の中の樹木希林のセリフを思い出しました。
“私たちが生まれた理由は、何かを成し遂げるためじゃなくて、この素晴らしい世界や自然を見て、感動するためかも”(正確には忘れましたが、こんな意味のセリフだったかと)。

ついでに樹木希林本人のエッセイからの言葉、
“人生で大事なのは結果じゃなくて過程”

ちなみに22番の元ネタのひとつは、あの『キャッチ22』なんだとか。
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