してちゃん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのしてちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
顔にしつっこくまとわりつくハエ。帽子の鍔にポトポトたまる水滴。風車のキイキイ軋む音。 静かに、たっぷりと尺を使ってみせる、冒頭の電車がくるまでの時間がかなり好みでした。

チャールズ・ブロンソンのほとんど瞬きせずにじっと見る目が、感情が読めない独特の表情をつくり、ずっと印象的でした。
自らのテーマ曲を登場のたびに自らハモニカで奏でるのも好き。

物語の展開も面白い。
誰が何者で、どちらに転んでいくのかが全然読めない。
ちょいちょい流れるカッポカッポしたメインテーマが妙に牧歌的で、シリアスさをいい具合にはぐらかすので、その場の感情や、物語の色味が簡単には捉えづらくなっているのが良いですね。
型に嵌った見方をされるのを軽くふり払ってニヤニヤしてる感じ。

登場人物が誰が誰かわからなくなる事が何度かありました。ただでさえそれぞれのポジションが分からない中、同じような服で帽子かぶって砂ですすけてるおっさんが次々同じ女に絡むから、あれ?この人はさっきのあの人で、するとこの人は、、ん? みたいな感じになりがち。(人の顔が覚えられない己の能力不足のせいかしらん)

超ドアップ多用は健在。これ好き❤️