インド映画特有の成り上がり系映画!
ラップと共に言葉の大切さ、人と向き合う逞しさを教えてくれる、そんな作品。
HipHopは他のジャンルの音楽と少し違い、ダイレクトに言葉をぶつける音楽であり特有の文化がある。
例えば今作はNeazyというインドのアーティストの実話を元に作られた映画で現代のインターネット文化も織り交ぜつつ90年代ヒップホップをヒューチャーしてる訳だが、日本の90年代ヒップホップ産業はまさに今作ガリーボーイの文化と似ている。
今作には主にラップバトルを軸に作られている。
このラップバトル、昨今の日本ではテレビ番組にもなりこの文化が浸透しているが、90年代ヒップホップを聴いてみるとそれがショーではなく作品になっている。
例えば曲の中で他のラッパーのディスを入れたり、曲のディスを入れたり、作品で戦っていた。
音楽の歴史で音楽で戦う行為をするのはヒップホップだけだ。
ストーリーあらすじ
ムンバイのスラム街で育ったムラドは貧しい生活をしていた。雇われ運転手での父親の収入で大学へ行かせてもらっていたムラドだが、その大学で行われていた祭典でMC sherと出会いヒップホップへの道へと突き進むサクセスストーリー。
以下ネタバレ注意
本編(ネタバレ含む)
本編では、インドでの格差社会、自由のない教育が生々しく描かれている。
学歴社会。いい大学を出ていいところに努める。
それがこのムンバイでは幸せへの近道なのかも知れない。
両親の教育にムラドの意思は当てはまらないものだった。
彼はラップによって自分らしさを得ており、それによって自分の価値観を見出していた。
そんなある日MC Sherに自分の書いたリリックを提示して歌ってほしいとお願いしたが、ラップなんてものは自分の魂の主張な訳だから、当たり前のようにそれを拒否。
そして自分で書いたものは自分で吐き出せとムラドにラッパーへの道を勧める。
そしてそれが評価され、思い切ってネットへ投稿する。
投稿した動画にスカイという名前で突っ込んだコメントをする人がいて、その人とメッセージを交わし実際に会ってみる事に。その時は調子に乗ったやつだから懲らしめに行こうぜ!くらいのテンションだったのだが。
その正体はバークリー大学(音楽界の名門校)出身の音楽プロデューサーだった。
ムラドはそのプロデューサーの元、アーティスト活動に力を入れる。そしてその時に付けた名前がガリーボーイ(路地裏生まれ)である。
ムラドの恋人関係
ムラドには恋人のサフィーナがおり、その恋人は研修医でムラドの家系とは正反対のお金持ちだ。その2人の関係性については本編ではそこまで触れていない。
スタート地点でもう恋人関係だった為、出会いなどのシーンはなし。
共通点
この正反対の2人の意外な共通点は、お互い自由を求めている事。ムラドは家計が苦しいので、両親から安定した職に就くために自由を奪われている。
一方サフィーナは由緒正しき家庭なので、将来の道筋も両親に決められ自由を奪われている。
スカイとムラドの関係
この辺もあっさりしていたし、気の強いサフィーナ相手に対抗意識を燃やすなど出来なかっただろうか。
インド映画の醍醐味ダンスシーン
ここ上手いなと思ったのが、ガリーボーイの曲のMV撮影からのMVを今作のダンスシーンとして取り入れており、規模とクオリティに圧倒されました。みんないい笑顔!
総括
ガリーボーイ。ラップに目覚め、頂点を目指すサクセスストーリーが主だが、サブストーリーも豊富に揃えておりあっという間の2時間30分でした。
仲間との行動、家族との派閥、社会からの抑圧など、考えさせられる内容も多々含まれております。
後エンドロールは安定に最高ー!!!