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グッドライアー 偽りのゲームのVisorRobotのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

いい感じの大人の大人ラブコメかと思ったらがっつりノワールコンゲームものだった。
主人公がここまで極悪だと「最後は手ひどいしっぺ返しを食らうんだろうなあ」と想像がついてしまうので途中からは主人公が見逃す落ち度探しの時間になる。
ナチス時代の出来事を絡めたことでちょっと普通の詐欺モノにエッセンスが加えられていると思うが、それにしても後出しの設定が過ぎると思う。
最後にスチュワートが「ドイツでのミスはすまなかった」といったがどういうミスなんだあれは? 作り手側もあそこでいったん謎が解決された封を装って視聴者を目くらまさないとさすがにタネが割れすぎると思ったのだろうが、スチュアートが真相の一端を明かしてしまう理由がわからないので「ミス」というマジックワードでごまかされているようにしか思えない。
イアン・マッケランとヘレン・ミレンのまさに「演技合戦」(随所で悪い決め顔をするのだこれが)はなかなか見事だったが、終盤ちょろっと出てくるアクションはただ見せ場を作るだけに思えた。
あれだけ優勢なベティが暴力に少しでも訴えられるような隙を作るだろうか? 別にスチュワートは手も足も出せずにやられてよかったし、作中で殺人を犯している以上自身もまた同等の刑を科される展開で良かったと思う。
まあそもそも、ロイが爺になってからベティが復讐をするというのもよくわからないのだが。もともとほんとに出会い系やろうと思ってたってことじゃないでしょ?
それもこれも愛憎あい半ばということかもしれないが、それならばベティが過去レイプにあった描写はちょっと倫理的に気持ち悪い感じがする。でもその気持ち悪さとか露悪的な感じがイギリス流のえぐいうまみなのかも。
ラストの余韻(思ったより深いわ)は良かった。
あれは「深く思っている」とかかっているのかな?
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