このレビューはネタバレを含みます
なぜかライアン・ゴズリング主演と思い込んでいた。なので、バービーの後にこんな映画かい、時代後戻りしとる……という懸念は杞憂に終わった。※たぶん予告のバカっぽさだけの印象で『フォールガイ』と混同していたのだと思う。
TOHOシネマズ仙台で見た。
俺はラブコメが好きである。リアルな恋愛や湿った恋愛のやつはようわからん。アホみたいな外人がアホみたいな機序で恋に追ち、用意されたレールに沿ってすったもんだしながら最終的にハッピーエンドであればいいと思っている。
なので、本作もそれなりに楽しんだのだが、独断で分類するのなら、「”愛すべき”でもない馬鹿映画」に入ってしまう。
俺がライアンゴズリングと誤解していたグレン・パウエル世代のおっさんが回春とちょっとエッチな気持ちと文化的活動をうまーいこと満たせるハッピーセットとして作られた感がすごい。
グレン・パウエル演じるベンはいったい何の仕事をしているのかわからないが大金持ち(たぶんトレーダー?)で家にはATMまである(尾田栄一郎の都市伝説か!)。
そんなベンが自分より二回り巨乳の若いビー(ロースクールで法律家を目指すくらいだからそれなりの頭や育ちではあるが、道に迷っており、結局最後までその後の進路などには言及されない)と恋に落ちて、無理やりいがみ合ったのち、『いがみ合っているけど本当はひかれあっている男女が無理やり恋人のフリをするもの』がはじまる。
ベンの元カノマーガレットは馬鹿そうなオージーサーファー(ボウ)と付き合っており、傷ついてしまう俺(ベン)。でもビーと義理の恋人関係を演出したらまんまと嫉妬して「ボウとは遊びなの」なんて言い出す。
飛行機や水が苦手なカワイイ俺(ベン)。でも、そんな弱点も場合によっては全然乗り越えられてしまうのだ。かようにベンにもビーにも乗り換えるべき障壁などはなからなく、自動的にオペラハウスでのキッスで映画はハッピーエンドだ! ゴキゲンなエンドロールとともにみんなポップコーンケース丸めて帰ってくれよ!
『ゴジラ×コング』といい、ウォーク疲れによる広い意味でのポルノ回帰の波が英語圏で起こっているのを感じた。まあでも貴重な数千円を費やすに足る娯楽がどこにあるかっていうとそりゃポルノがいちばん間違いないのは身もふたもない真実である。
楽しんだのは楽しんだ。
ダレン・バーネットが極限まで影の薄い恋敵(ジョナサン)役としてでてきて思わず「パクストン・ホール・吉田やんけ!」と心中で叫んだね。俺は相当『私のはじめて日記』が好きなんだな。