高校野球、夏の甲子園大会。夢破れた演劇部員の安田と田宮、遅れてやってきた元野球部の藤野、成績優秀な帰宅部女子の宮下が、アルプススタンドの隅で白熱する1回戦を見つめていた。どこかぎくしゃくしている仲の安田と田宮、テストで学年1位の座を吹奏楽部部長・久住に奪われてしまった宮下、野球に未練があるのか不満そうな藤野。試合の行方が二転三転するに従って、彼らが抱えるさまざまな思いも熱を帯びていく。
アルプススタンドの隅で起こる青春劇。
脇役だってドラマがある。青春がある。
とても面白かった！！
甲子園の一回戦、自校の応援に来た少年少女のアルプススタンドでの会話劇で、試合のシーンが一切映らず、ひたすらアルプススタンドのシーンが続くのが特徴的。高校生らしい取り留めのない勉強とか恋愛の話に、どこか懐かしさを感じさせながら、しっかりと内容が面白い。
輝かしい高校生活を送っていなくたって、そこには喜びも悩みも悲しみも妬みも、青春の全てが詰まっている。寧ろ、この作品で描いている青春こそが大多数の人が経験してきたマジョリティなんだなあと思う。
等身大の青春映画でした。
