ピンクに彩られた夢のような世界「バービーランド」。そこに暮らす住民は、皆が「バービー」であり、皆が「ケン」と呼ばれている。そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ピュアなボーイフレンドのケンとともに、完璧でハッピーな毎日を過ごしていた。ところがある日、彼女の身体に異変が起こる。困った彼女は世界の秘密を知る変わり者のバービーに導かれ、ケンとともに人間の世界へと旅に出る。
バービー人形。
まさかの実写化。
まさかの社会派コメディ。
まさかのアカデミー賞ノミネート。
正直、全く見る気はしてなかったのだが、深みのあるストーリーと評判だったので鑑賞。
ジェンダー問題を軸に社会風刺満載のブラックな物語。奇抜な世界観だからこそ、ブラックジョークとして思わず笑ってしまうけれど、かなり突っ込んだ内容だったと思うし、決して勧善懲悪では無いからこそ、見ていて気持ちの良い物でも無い。
結局は、自分が自分である事と向き合って行くことが大切なんだと言うことの普遍的なメッセージがこの物語の終着点ではあるものの、
役割を与えられた人形の世界、バービーとケンだけで構築された世界。バービー人形の特性を活かした世界観で、これを描くというセンスが素晴らしく、普通に伝えるよりも響くものがあった。
物語としても楽しめたし、考えさせられる良い映画でした。
