ウルフガー

アルプススタンドのはしの方のウルフガーのレビュー・感想・評価

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公開時に劇場で鑑賞。最初のうちはそれほどでもないかなと思って観てたけどだんだんと入っていけた。私としては「ジョジョ・ラビット」と似たような感じだった。意図や仕掛けが最初は気になるけどそこじゃないんだよね。

感動というよりサスペンスを途中まで感じた。彼らの気持ちが一つになるのか傷つけ合うのかヒヤヒヤしながら観てた。自分の学生時代を思い出すのと親みたいな気持ちで観るのと同時に味わう不思議な感じ。

明らかに憎まれ役だなってキャラがいたんだけどその人たちを切り捨てなかったのは良かった。そこが一番感心したかも。

そもそも元は演劇なのでアルプススタンドにいる4人だけで話が進むというのは受け入れられるけど映画はカットを変えてどこでも見せられるんだから演劇と同じようにアルプススタンドだけを映していていいのか?ということは当然思うと思うんだけどそこを貫くのは結構勇気がいったんじゃないかと思う。

あと球場がどうしても甲子園に見えない問題ね。私は最初どこぞの予選かなくらいに思っていて途中で「ああここが甲子園という設定なのね」と気づいたんだけどまあそこは別にいいかと割り切れた(甲子園でロケしてないからダメだとかは思わない)。

そこがダメだって意見もあるとは思うけどそれもわかる。というのはそりゃ甲子園に見えた方が作品としてはいいんだけど、当然そうなると予算がかかるわけでプロデューサー的な考え方になるけど本題はそこじゃないので実際の甲子園に見せるのは費用対効果が薄いなという消極的肯定という感じです。

この映画の良いところは頑張れなかった人がもう一度頑張ろうという結論を誰かに「頑張れ」と強制されたからではなく他の人との関わりの中で自発的に選択するドラマにあるのであってその背景は最小限で構わないと私は思いました。
ウルフガー

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