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アルプススタンドのはしの方の傘籤のレビュー・感想・評価

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舞台劇が元になっていることから、基本会話のみで進行する映画。アルプススタンドのはしっこで、4人の高校生がそれぞれの思いを抱えながらのんびり観戦しています。観ていてなんとなく『バーナード嬢曰く』という漫画を思い出しました。あの漫画も「図書館」という本人たちにとって収まりがいい場所で、最小人数で進行するお話です。必ずしも人はみんなと同調する必要はなくて、本人たちのペースで、本人たちの悩みを、本人たちの努力で向き合い、生きていっていいはずです。これはそういう「居場所」についてのお話で、きっと共感する人が多いのはそのためなんだろうと思います。ただ、だからこそ、最終的に4人がまとまって野球を応援するって展開はあまり好きになれなかったなあ。「応援しない」って選択肢はあっていいはずだし、どうせなら4人で野球場から出て遊びにいっちゃうようなラストが個人的には見たかった。
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