ヨダセアSeaYoda

フォロウィングのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

フォロウィング(1998年製作の映画)
3.9
【STORY】
 刺激を求めて他人を観察しながら "つけ回し" ていた男が、想像を超えた刺激に巻き込まれていく。

【REVIEW】
ルールを決めて「何の気なしにランダムな相手を」尾行する主人公が変化する様をとおして、「私情を挟まない『ただの作業』など人間に実行できるのか」という本質的な問いかけをしてくるノーラン長編(短いけど)デビュー作。

白黒の映像(予算の都合らしい)も単に「ノワール映画っぽく」しただけではなく、シックにしておしゃれな気品を感じるのはノーランの映像作りのセンスが当時から洗練されているからだろう。

後の名だたる作品に比べれば衝撃度合いも少なくシンプルだが、ノーランの作家性はすでにある段階まで完成しており、「主人公を自負する主人公」「謎の執着心や使命感」「自分が信じていたい事実の押しつけ」「時系列を破壊し、徐々に事件の本質が明らかにしていく丁寧な物語運び」といった監督らしさを随所に感じられる。

今作では「他人に首をつっこみすぎるとどうなるか」という危険性を単純に描くが、「では他人ではなく自分や大切の人のための執着なら?」という派生は次作『メメント』に繋がる。

主人公の名前がコブなのも『インセプション』の主人公の女性への執着心に繋がるようで面白い。

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観た回数:3回
直近の鑑賞:レンタルDVD(20.06.07)
      レンタルDVD(20.06.07)
      レンタルDVD(24.03.29)
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点77pt/100pt 星換算★★★☆3.9

95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級

《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
 80pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
 86pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
 85pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
 81pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
 75pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
 72pt/100pt
★音響(録音・音響)
 75pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
 76pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
 70pt/100pt
★配役(キャスティング)
 70pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
 --pt/100pt
ヨダセアSeaYoda

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