Liaozhaipi

少年の君のLiaozhaipiのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
2.5
主演のチョウ・ドンユイ(周冬雨)は、『サンザシの木の下で』以来注目していましたが、ここでも圧巻の存在感です。なぜ、中学生くらいから30代まで違和感なく演じ分けられるのか、不思議でしょうがない役者です。
話としては、学歴社会のダークさと社会全体の階層差という背景をサスペンス調に描きつつ、後半からはそれぞれの愛情に大きく突き動かされていく点に焦点が移り、やや突拍子もないメロドラマ化する場面も散見。
しかし、何もかもセリフによって“説明”しようとするバカ日本式大衆映画とは異なり、表情や動きで語るまっとうな演出が行き届いています。
これは主にティーンに向けたプロバガンダ映画ではあるものの、訴えるものがわかりやすくかつチープではないため、その存在意義は小さくないかと思われます。
ただし、では、そんな社会や体制をどうにかしなければいけないのでは、といった問いは微塵も感じられないので、ジャーナリスティックに「何を語っていないか」を見逃してはいけないでしょう。あくまで、その体制下で、みながしあわせにくらすにはどうしたらいいか、という問いにとどまっている、というのがわたしの感想です。
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