王の子供は王じゃない。王になるのは能力のある者だ。
だが実際には、経済格差によって能力を伸ばす機会は自然に制限されている。
日本でも、東大進学率と親の収入には正の相関がある。さらには返済を必要としない奨学金もほとんど無い。
じゃあ学びたい気持ちはあっても、先生に恵まれない子供たちはどうすればいいのか。
個人の善意に頼るしかない。
作中でも文部大臣を頼ったがすげなく断られている。
この酷い困難と、塾ビジネスを発展させたい金持ちたちが主な敵である。
実話をもとにしている十分なストーリーなのだが、この映画でもっともエモーショナルな瞬間は、苦難の人生から逃げるために入学した生徒たちによってもたらされる。
彼らが学びたい、自分の力を信じる瞬間に出てくるヒップホップやダンスが素晴らしい。ぜひ映画館で見ていただきたい作品。