Omizu

ドント・イット THE ENDのOmizuのレビュー・感想・評価

ドント・イット THE END(2018年製作の映画)
3.3
『ドント・イット』とは国も違うし何も関係ない。原題は『Achoura』で、副題がla nuit des enfants、つまり子供たちの夜、祝祭日の夜に子供たちを襲う悪魔がキーとなる。

悪くない。語り口はしっかりしているし、子役含め役者陣も素晴らしい。大げさな演出は極力控えて全体に得たいの知れない薄気味悪さを醸す画面作りは好感が持てる。過去と現在が交錯する終盤のシーンなど美しく、フランス屋敷のゴシックな味わいも相まってすごくいい。

悪魔のCGもレベルが高い!液体のように、粉末のように床から、天井から、壁から現れる様は恐ろしくも美しかった。

ただ、ラストが肩透かし。結局誰かに封じ込めるしかないっていうのが…
あの親子の悲壮感も演出不足だと思うし、刑事の上司が急に分かったようなことを喋りだすのもおかしいし。あと昔のあの少女はともかくとして、守ってくれた少年はあのあと一切出てこなくてがっかり。繋がりをもっと明示してほしかった。

ラストさえなんとかなればかなり上出来のホラーだと思う。シッチェス映画祭は当たり外れがあるけど、これは割と当たり。この監督注目したい。
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