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ザ・プロムのなのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・プロム(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 「私とあなたと、それと音楽さえあれば良い」と歌うシーンがあまりにも最高で泣いた。
 幼いバリーに「落ち込む必要は無いさ」と歌い、空想の中で幼いバリーが当時の想い人に微笑まれるシーンに嗚咽した。
 校長のメタ的な歌が面白かった。恩田陸の「エンドマークまでご一緒に」を思い出した。
 構成上の問題か尺の問題かわからないけどエマの両親の話に最後まで一切触れられないままだったから、幸せなラストシーンなのにアリッサが母親に抱きしめられるのを笑顔で見ているエマに心が抉られた。
 マイノリティは普通のプロムに参加出来なくて(おそらく田舎の州ではそういう傾向にあるのかな少なくともこの話の中では)、身近な人の理解どころかマジョリティが普通に受け取る愛情すらもらえないんだなと思ったら本当に心が苦しくなった。
 LGBTQ以外の差別表現も多くておお……となったけどこの作品と出会えて本当に良かったです。知見が広がったので。
 dance with you で
I don't need a big production Streamers hanging in the air / I don't need to spend the night With confetti in my hair / I don't need a room of people (総コピペ) と歌っていたけど最後は全て実現していて、おお全て実現しとるな……と思った。(小泉構文)

 アリッサは本当の自分になることができて、バリーは母親から理解と愛をもらって、でもエマは?となってしまった。エマはシンボルに成らざるを得なかったけど私がこんなことになったら絶望するなと思った。バリーの件も、両親に縁切られている時に目の前で見たら「ああ、こんなに時間をかけても片親としか和解できないんだな」って絶望してしまう。エマの祖母の存在だけが救いだった。長生きして欲しい。エマがひたすらに強くて健気でずっと笑顔で苦しくなってしまった…
 お金持ちが2人をインディアナから連れ出して生活力を得るまで支援だけしてくれるみたいなエピソードだったら大好きだったけどそれじゃ映画にならないもんな……「あなたと音楽さえあれば」と歌っていたエマが外野に押し出されて晒し者みたいになったのがどうしても辛くなってしまう……アリッサもエマくらいに失うものが無ければ2人だけで生きていけたのかな。
な