本当に駄目な山崎賢人と、本当に健気な松岡茉優の話。
たいていこういう関係性の場合、男が『失って初めて幸せに気付く』というのがよく見るオチ。キャッチコピーにも書いてあるとおり。
ただ、最後の仕掛けを見たあとに、ふと『この仕掛けはどこからかけられていたんだろう』と考えると、モヤがかかって答えにたどり着けない。
この物語は最初からほぼ終わりまで一人称で語られるが、本当に男は自分を省みたのか、それとも結局自分に都合よく解釈して語っただけで、何も変わらなかったのか。
後者だとしたら救いがないけれど、たいていは、こうして救いがないことのほうが多いのかもしれないなぁ。
一方で、細かいところで言えば、同じ靴、同じ飲み方、部屋の変化、二人を取り巻く小道具や些細な仕草にまでとてもこだわって作られていて、そこを一個一個見ていくのも非常に面白いです。
